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「発生工学・再生医療・細胞治療」市場における科研費獲得金額ランキングTOP50

text by : 編集部
photo   : shutterstock

発生工学・再生医療・細胞治療

どのようなテーマが共感を呼び、どのような形で投資を集めているのか、世界中の特許/論文、科学技術研究費、ベンチャー投資、クラウドファンディング情報などを集め、独自に分析する本企画。今回は、180の有望成長市場のうちの19番目である「19. 発生工学・再生医療・細胞治療」市場における大学・研究機関別の科研費獲得金額ランキングを発表、さらに注目すべき研究テーマを紹介する。


 

■全大学/研究機関332、6,698テーマ中、「19. 発生工学・再生医療・細胞治療」市場における大学・研究機関別(※1)の科研費獲得金額ランキングTOP50(※2)

(※1)研究代表者が所属する大学・研究機関
(※2) 2006~2015年の交付分。2016年4月時点でデータ取得

科研費×発生工学・再生医療・細胞治療

 

■注目すべき研究テーマをご紹介
(※)敬称略

メカノメディスン:メカノ医工学を駆使した再生医療・生殖医療への展開(岡山大学 成瀬恵治教授 他 / 1億5520万円)
人間の体は様々なメカニカルストレスを受容応答することにより正常な生理機能を維持し、その機構の破たんにより疾患を生じるため、疾患の成因解明や治療にはメカニカルストレスを考慮に入れたメカノメディスンが重要であると考えられている。この研究では、分子・細胞・組織・固体レベルでのメカノバイオロジー理論に基づきメカノ心臓再生・生殖医療のトランスレーショナルリサーチを展開し、革新的次世代メカノ医療技術を開発することを目的として行われている。

細胞活性化型キメラマトリックスの設計によるES/iPS細胞の機能と分化過程の制御」(東京工業大学 赤池敏宏教授 他 / 2億449万円)
この研究では、ES/iPS細胞の安定的な培養から様々な組織への分化誘導を効率的に実現するためのバイオマテリアルを創製し、ES/iPS細胞を用いた再生医療及び様々な組織の薬物動態を測定することができる細胞チップを開発することを目的とされた。その結果、新規人工細胞外マトリクスであるN-カドヘリン固定型キメラ分子を用いた効率的な神経細胞分化や、インスリン様増殖因子結合タンパク質固定型キメラ分子を用いた心筋細胞分化誘導促進技術の知見などが得られた。

内耳発生メカニズムの解明と再生医療への応用(京都大学 伊藤壽一教授 他 / 1億5977万円)
感音難聴の多くは音の受容を司る内耳感覚上皮の障害が原因である。 この研究では内耳感覚上皮の発生過程を分子レベルで解明し再現することにより、内耳感覚上皮の再生技術を感音難聴の治療方法として開発することが目的とされた。発生過程の内耳感覚上皮の網羅的な遺伝子発現解析と内耳奇形を伴う先天性高度感音難聴患者の遺伝子解析による遺伝子発現プロファイルの取得や、内耳感覚上皮再生手法の確立と感音難聴の新規治療方法の開発などが行われた。


 

■「19. 発生工学・再生医療・細胞治療」市場について

再生医学・再生治療(regenerative medicine)とは、疾患や傷害、加齢等により損なわれた生体組織の構造や機能を、幹細胞などを用いて、再生・修復する医学・医療の領域をいう。特定の臓器 や組織の再生を指す場合、組織工学(tissue engineering)という表現を用いることもある。

また、細胞治療とは、生体細胞を体外に取り出し、選別、活性化、増幅などの処理を行った後に患 者に投与する治療法の総称であり、免疫細胞移植や造血幹細胞移植などがこれに当たるが、幹細胞から分化誘導した細胞を患者に移植することにより組織修復を目指す治療も細胞治療と呼ぶため、細胞治 療には再生医療も含まれる。

発生工学(developmental engineering)はさらに上流にあり、生物の発生過程、すなわち、精子と卵の受精から胚発生、形態形成などを研究する発生生物学をベースとし、受精卵や胚盤胞を体外に取り出す技術、それらを培養する技術、それらの胚を操作する技術、操作した胚を再び仮親の卵管 や子宮に移植する技術などを含む。不妊治療として用いられる体外受精や病気など特定遺伝子を持た ない受精卵の選別をするデザイナーチャイルド、複数の生物種の遺伝子を併せ持つキメラ生物や、クローン生物(完全に同一のゲノムを持つ生物個体)、ノックアウト・ノックダウン生物(特定の遺伝子の発現を抑制・低減した生物)の作製など、現在の再生医学の源流になるような基礎技術が含まれる。

現在フェーズでは成熟前夜、近未来フェーズ(5-10年以内)では成長開始、未来フェーズ(10年以上)ではさらなる成長が期待されている。

主な技術要素としては「ES細胞」「iPS細胞」「間葉性幹細胞」「癌幹細胞」などがあり、主な技術・製品・サービスの例としては、「筋芽細胞シートによる重症心不全治療(大阪大学)」や「自家培養表皮・自家培養軟骨・自家培養角膜上皮(株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)」などがある。

また、この市場の主なプレイヤーとしては、Genentech、Novartis International、東洋紡株式会社、京都大学などがあり、180の有望成長市場における主な関連市場としては、「20. 生殖工学・不妊治療・体外受精」「29. 細胞培養・バイオリアクタ・CPC」「35. ワクチン開発・自然免疫制御」などがある。

astavisionでは、この市場の2015年世界市場規模を100億米ドルと推定、2025年世界市場規模を520億米ドルと推定している。

 

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