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AR/VR分野のクラウドファンディング、後発の中近東地域に勢い。牽引するイスラエルでは大企業によるAR/VRベンチャー買収が相次ぐ

text by : 編集部
photo   : shutterstock

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任天堂の『ポケモンGO』が人気を博し、ソニーからは『プレイステーションVR』が発売されるなど、「AR/VR元年」と呼ばれるほどの盛り上がりを見せているAR/VR市場。2015年のグローバル市場規模は約50億ドル(約5165億円)、2025年時点では年間約700億ドル(約7.2兆円)に上ると見込まれている。(※1)

今後はエンタメ産業ばかりではなく医療や自動車産業、建設業、製造業などでの活用が期待されており、NECや富士通、セイコーエプソンといった大企業の参入も相次いでいる。また、関連技術を持つベンチャー企業や、クラウドファンディング(※2)で多くの賛同者を獲得したAR/VR製品に対して、提携先やアイデアを探索する大企業からの関心も高まっている。

そこで今回は、世界210ヵ国のクラウドファンディングデータの分析により、AR/VR分野におけるクラウドファンディング市場動向を紹介する。(※3)(※4)(※5)

(※1)astavision推計
(※2)特定の目的を達成するために、不特定多数の人物(crowd:群衆)から資金援助(funding)を受け、援助に対しお返しをする(お返しをしないものもある)一連の仕組み
(※3)集計年次はプロジェクト終了日基準
(※4)国別集計はプロジェクトオーナーの所在地基準
(※5)2016年6月30日時点の為替レート

 

流通金額は2014年から中近東・アジアに勢い

流通金額トップの北米地域は、約2.6億円を集めたOculus Riftの勢いを受けて2012年から2013年にかけて急伸したものの、翌年より堅調路線に。代わって後発ともいえる中近東・アジア地域が伸びを見せ始めている。

 

ARVR分野における地域別のクラウドファンディング流通金額推移

 

中近東地域の勢いを牽引するイスラエルでは、大企業によるAR/VRベンチャーの買収が相次ぐ(※6)

中近東地域の勢いを牽引したのは「世界を仮想の紙面にする」というコンセプトを謳ったペン型入力デバイス”Phree – Make the world your paper”で、どんな場所でもレーザーでペンの動きをトラッキングし、スマートフォンなどに手書きの文字を入力できるというもの。これはイスラエルのベンチャー企業OTM Technologyによる製品で、2015年6月までにkickstarterで約1億2000万円、さらに2016年3月までにindiegogoで約1億1000万円、合計約2億3000万円の事前購入予約の獲得に成功している。

イスラエルは「第二のシリコンバレー」とも呼ばれ、研究開発費の対GDP比が世界1位となるなどイノベーションハブとして注目されており、AR/VR分野では2013年にApple社が3Dセンサーを開発するPrime Sense社を約351億円で買収し、大きな注目を集めた。

その後もイスラエルでは2015年にFacebook社が3DセンサーのPebbles Interfaces社を約61億円で、2016年3月にはスポーツをあらゆる角度からリプレイ視聴できる技術を開発したReplay Technologies社をインテル社が約155億円で買収するなど大企業によるAR/VRベンチャーの買収が相次いでおり、日本企業では2015年にサン電子がInfinity AR社に出資、さらに同年Lumus社とも提携してARによる業務効率化システムの開発に取り組んでいる。

(※6)文中の買収価格はすべて想定価格

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