10月7日から10日までの4日間、幕張メッセで開催された最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2015」。国内外から531社が出展し、4日間で133,048人が来場する盛況となった。
会場では大企業による大掛かりなデモンストレーションが注目を集める中、気鋭のベンチャー企業や大学・研究機関による展示が異彩を放っていた。
そこでastavisionではCEATECに出展しているベンチャー企業や大学・研究機関で先端ビジネスに携わるイノベーターたちが、どのような市場や技術、企業、人物に注目しているのか、話を聞いてみた。
■磯部和彦さん(アイレット株式会社 cloud pack事業部 ソリューションアーキテクト)
AWSの法人向けマネージドホスティングサービスを提供しているアイレット株式会社は、IoT向けの格安MVNOサービス「SORACOM Air」の発表で注目を集めた株式会社ソラコムと共同出展している。
あなたの注目している市場は?
「IoT」ですね。まさに僕らが提供しているクラウドのサービスとも親和性があるので注目してますし、今日(10月9日)ちょうどamazonがIoT向けのAWSサービスを発表しましたよね。IoTでよく言われていることですが、今まで「ウェブ」や「スマホサービス」の中に閉じられていたものが、色々な分野、たとえば農業や医療など、そういったところに広がる「鍵」だと思っています。
注目している企業や人は?
ソラコムさんです。今回CEATECで共同ブース出展させていただいてますし、彼らが提供するIoT/M2Mデバイス向けデータ通信SIMを採用し、『SORACOM』プラットフォームとAWSクラウドを相互接続、閉域網の運用をcloudpackが行うことを発表しました。彼らの、MVNOのSIMというサービスの話を聞いたときにまず「そういうアプローチがあったか!」と驚かされましたし、考えるほどに「モノと通信」という領域を考えた場合、これほど重要なアプローチもないな、と感じています。
■横塚将志さん(産業技術総合研究所 ロボットイノベーション研究センター 研究員)
自律走行車いすなどの生活支援ロボット関連を出展していた産総研。研究員の横塚さんは、「一度走った場所をセンシングして、2回目からは全自動で動く車いす」の研究開発に携わっている。富士ゼロックスが開発した自走式プリンターにはすでにこの技術が使われているという。
あなたの注目している技術は?
センシング技術です。私たちが開発しているモビリティロボットの技術においても、各パーツが小型化することや、小さな機器ひとつでどれだけ多くの情報が読み取れるか、ということが大事なんです。映像だけでなく、位置情報や空間情報といった、周囲に存在するあらゆる情報を読み取るためのセンサー部分に関する技術に注目しています。
注目している企業や人は?
リチャード・ニューカムです。私が研究を通じて取り組んでいる「空間情報の認識」という領域の最先端の方だと思います。Kinect Fusionの開発者として知られている人で、研究結果をKinect Fusionのように「分かりやすい形で世に打ち出し、体験を提供した」という点が素晴らしいと思います。
「IoT」と「モビリティロボット」という、いま市場を創出しつつある分野での出展者に話を聞いたpart1に続き、part2では「超音波・人工感覚」と「イベントマーケティング」という、まさに”NEXT イノベーション”と目される分野からの声を紹介する。