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二次電池・全固体電池・キャパシタの要素技術と研究開発具体例|特許・論文・学会データを元にした世界の動向

text by : 編集部
本記事は、二次電池・全固体電池・キャパシタについて、アスタミューゼ社作成の『R&D/知財戦略構築向け分析』レポートから一部抜粋した内容となっている。

はじめに

アスタミューゼ社のご紹介

弊社は世界の無形資産・イノベーションを可視化し 社会課題解決と未来創造を実現する、データ・アルゴリズム企業であり、
イノベーション投資の流入に加え、イノベーターの流れを機械的に分析し、データに基づいた成⻑領域を定義している。

本スライド: slideshare
アスタミューゼ株式会社: https://www.astamuse.co.jp/

R&D/知財戦略構築分析レポートのご紹介

アスタミューゼでは今芽吹きつつある黎明期の技術シーズや今後 10 年から 20 年 のスパンで大きく開花すると期待される初動段階の技術市場に重点を置きつつ、生活文化の中に根 付く技術にも光を当て、総じて未来を創る技術分類の網羅に取り組んできた。
このために、国内第一線の知を結集して全世界の論文・特許、国内外の国際会議やシンポジウム、展示会等の情報並びに独自ネットワークによる口コミ情報を活用し、136 の有望成長市場と、40 の 未来技術を選んだ。主にビジネス視点で策定された有望成長 136 市場を対象にしており、本レポートは、『二次電池・全固体電池・キャパシタ』のR&D/知財戦略構築に特化した内容となっている。

二次電池・全固体電池・キャパシタ R&D/知財戦略構築分析レポート タイトル 二次電池・全固体電池・キャパシタ
R&D/知財戦略構築分析レポート
レポート
体裁
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発行元 アスタミューゼ株式会社

事業会社に向けては、イノベーションに関わる経営課題を中心に戦略構築支援/実行支援を実施しており、
・自社の既存事業の優位性がいつまで続くかわからない
・既存事業の成長が踊り場にきているので、使っている技術 を別で活かせる可能性を探りたい
・既に着手している研究開発を続けるべきどうか、もしくは 自社開発ではない方法があるかを含めて検討したい
といった企業のよくあるお悩みを解決している。

研究開発のための概要および現状把握

二次電池やキャパシタは、正極材・負極材・電解質・セパレータなどで構成され、電極間に電気を蓄え、充放電可能な蓄電体である。二次電池は、電極間の酸化還元反応により電気を蓄える化学電池であり、リチウムイオン二次電池(LIB)やニッケル水素電池など、ノート PCや携帯電話のバッテリーとして利用されている。また、エネルギー密度が高く、航続距離を伸ばせる LIB は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)の駆動用電源としても使われている。キャパシタは、一般的にはコンデンサと呼ばれ、 電極間の静電気力により電気を蓄える物理電池であり、一時的に電気を蓄え、電圧を安定させるなどを目的とした電子部品に使われることが多い。キャパシタの中で、活性炭を使う正極と負極の表面に電子が吸着する現象を利用して電気を蓄えるキャパシタは電気二重層キャパシタ(EDLC)と呼ばれる。EDLC は化学電池に比べて容量を増やすことが難しいが、充放電が速く、瞬間的に大きな力を生み出せるなどの特徴を持ち、複合機の省エネモードからの復帰電源、自動車の減速時の回生エネルギーの蓄電用などに使われている。

課題・問題点とその解決事例

リチウムイオン二次電池(LIB)は一般に、エネルギー密度が高く、可燃性の液体電解質を使用しており、発火や発煙の危険性を持つ。主な発火の原因は、電極の結晶析出や衝撃などによる短絡のほか、急速充放電や過充電時の電池の内部抵抗の増大に起因する発熱である。近年、実用 LIB のエネルギー密度が理論限界への到達が近いことを背景に代替えとなるポストリチウムイオン電池の実用化に向けた研究開発競争が激化している。候補技術の例としては、全固体電池(ポリマー系、酸化物系、硫化物系など)、金属空気電池、コンバージョン電池、リチウム硫黄電池、マグネシウム電池(多価カチオン電池)、フッ化物電池、亜鉛負極電池などが挙げられる。これらの電池は理論的にリチウムイオン電池に比較して、数倍のエネルギー密度を有するものもあるが、材料・部材開発、充放電効率、サイクル寿命など実用化には解決すべき課題が存在する。
全固体電池は電解質が固体であり、発熱、電解質の液漏れ・凍結・揮発の危険性がなくなることで、 高い安全性が確保できるだけでなく、電池セルの積層化による高エネルギー密度化や高電圧化が可能で あると期待され、メーカーだけでなく国のプロジェクトを含めて日本で多くの開発が進んでいる。 2020 年 4 月 1 日にトヨタ自動車とパナソニックは、車載用角形電池事業に関する共同出資会社を設立し、車載用の高容量・高出力角形リチウムイオン電池、全固体電池および次世代電池の開発・製造に関する事業を開始し、車載用全固体電池の実用化と量産に向けた準備を進めている。車載用としては、航続距離に直結する高エネルギー密度の実現に向けた研究がいち早く進む硫化物系の全固体電池が、有力視されている。車載用途レベルのサイクル寿命や出力が不要な小型電子デバイスなどに対しては、村田製作所や TDK などが酸化物系材料を使う全固体電池の量産開発を発表しており、今後、5~10 年程度で様々な分野で全固体電池の実用化への動きが加速していくと予想されている。

要素技術の定義とそのランドスケープ

二次電池・全固体電池・キャパシタの要素技術としては、下記のようなものが例としてあげられる。

  • パワー密度
  • 大容量
  • 発熱
  • 温度特性
  • 重量エネルギー密度
  • エネルギーバックアップ
  • 劣化判定
  • 触媒
  • 非接触給電
  • 封止膜
  • カーボンナノファイバー複合電極
  • イオン電導媒体
  • 多孔性
  • 充電インフラ
  • 空気電池
  • 充放電
  • 損失
  • 安全性
  • エネルギー密度
  • エネルギー回生
  • 出力電圧平準化
  • 液体/固体二次電池
  • 正極/負極活物質
  • 薄膜
  • 電気二重層
  • ゲル電解質
  • 電池システム
  • 電極シート
  • 水素吸蔵合金

アスタミューゼ社の『R&D/知財戦略構築向け分析』レポートでは、二次電池・全固体電池・キャパシタの基礎となる技術を川上とし、応用技術を川下とした要素技術のランドスケープと、用途・目的ごとに一覧化した詳細技術分類を提供している。

特許・論文・レポートとベンチャー・研究投資の世界動向

アスタミューゼ社では、世界中の無形資産/非財務・イノベーションを可視化するために 機械と人力で様々な情報を収集・統合し、世界最大級のデータベースを構築している。そのデータベースにおける二次電池・全固体電池・キャパシタの2010 年から 2019 年の 10 年間における世界のグラントの資金流入額は総額 $400M である。

本レポートでは、
・主な技術・製品・サービスと2030年の市場規模予測
・特許出願件数推移/特許出願国別構成
・世界のスタートアップ設立社数と被投資額の累計/推移
・研究投資の国別動向: グラント採択数と総配分額ランキング
・研究投資の国別動向: 世界/日本のグラント配分額上位25テーマ
を提供している。

最新の技術開発具体例

本レポートでは、二次電池・全固体電池・キャパシタにおいて、押さえておくべき最新の技術開発事例を多数紹介している。

技術で収益化/事業貢献するために参考にすべきビジネスモデル

ベンチャービジネスの例としては、 軍事、輸送、代替エネルギー市場向けのウルトラキャパシタ技術を開発、製造、商品化している Ioxus や、 スマートグリッド用の大型蓄電池を製造している Primus Power があげられる。
本レポートでは、二次電池・全固体電池・キャパシタ分野において、技術で収益化/事業貢献するために参考にすべきビジネスモデルを
・世界のベンチャー/スタートアップの設立社数と合計被投資額
・資金調達額上位30社の企業名/企業概要/資金調達額
とともに詳細に記載している。

共同研究/開発パートナーとなる企業・大学

アスタミューゼ社では、アメリカ・中国などの海外を含めた世界中のメーカー/ベンチャー/大学の情報を収集・統合しており、二次電池・全固体電池・キャパシタにおいては、
・LG Chem Ltd.
・太陽誘電株式会社
・Samsung Electronics Co., Ltd
・株式会社半導体エネルギー研究所
・株式会社村田製作所
・Central South University(中南大学)
・トヨタ自動車株式会社
・パナソニック株式会社
・株式会社東芝
・Bosch Ltd.
などが例としてあげられる。
本レポートでは、二次電池・全固体電池・キャパシタ分野において、現時点で保有する技術が総合的に優位な企業を各種特許指標から評価し、ランキング形式でリスト化して提供している。

おわりに

本レポートの目次

二次電池・全固体電池・キャパシタ R&D/知財戦略構築分析レポート表紙 二次電池・全固体電池・キャパシタ R&D/知財戦略構築分析レポート目次
タイトル 二次電池・全固体電池・キャパシタ
R&D/知財戦略構築分析レポート
レポート
体裁
PDF 日本語
発行元 アスタミューゼ株式会社

会社概要

アスタミューゼ株式会社: https://www.astamuse.co.jp/

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