生活・文化の拡張領域

人工筋肉・ソフトアクチュエータ

2025年グローバル市場規模予想

120億ドル

人工筋肉・ソフトアクチュエータ
人工筋肉とは、ゴムや導電性ポリマー、形状記憶合金、カーボン・ナノチューブなどで作られた伸縮性のアクチュエーター(作動装置)です。とりわけ、空気圧で伸縮するゴム人工筋肉(空気圧ラバーアクチュエーター)は作動する力が強く、工場で重いものを持ち上げたり運んだりする作業機械やロボット、パワード・スーツ(ロボット・スーツ)、ドライブ・シミュレーターなどに応用されています。今後、災害や事故等からの人命救助ロボットや、生体内埋め込み型の人工臓器、空気圧を電気エネルギーに変換して蓄積する新しいエナジー・ハーベスト技術など、人工筋肉が活躍するフィールドはますます広がると期待されています。

人工筋肉・ソフトアクチュエータの活躍の場

  • ・ファクトリーオートメーション
  • ・産業ロボット・作業ロボット
  • ・工作機械
  • ・パワードスーツ・ロボットスーツ
  • ・介護ロボット・介護機器
  • ・パワーアシスト自転車・パワーアシスト機器
  • ・重負荷・危険作業ロボット、
    濃作業・果実収穫ロボット
  • ・人工臓器・インプラント機器
  • ・精密機器

人工筋肉・ソフトアクチュエータのグローバル市場規模推定

人工筋肉は、小型軽量、低電位、無音、極限条件・水中や大気中で動くなどの特徴があり、従来のモータ技術には出来ない動きが可能になります。生物の筋肉本来の動きに近いソフトな動きが可能となることもあり、ウェアラブル発電や波力発電、福祉用具、ロボット用アクチュエータ、マイクロアクチュエータ(μtas(生化学分析デバイス)、マイクロ燃料電池やマイクロ冷却装置への応用)などへの応用が期待されている。2025年までの福祉用具の市場規模は1兆1,900億円、波力発電の市場規模は1兆4,000億円、メカトロニクス部品の市場規模は1兆1,700億円、MEMSデバイスの市場規模は1兆1,700億円といわれており、人工筋肉はこれら全てに関わる要素技術なのでその応用性と市場性はとても魅力的である。その一方で、製造コストの削減、自在な変形運動を実現するための電極構造のパターニング、運動性能向上などが課題となる。2014年7月、安倍首相は2020年までに、ロボット市場規模を今の3倍である2.4兆円まで拡大し、ロボット五輪を開催したいと発言したことが海外でも注目された.アベノミクスの経済成長策の中でも重要な位置を占めるロボットの活用、その重要な技術要素である人工筋肉、ソフトアクチュエータの果たすべき役割は大きい。上記のことから、2025年時点での人工筋肉のグローバル市場規模を、1.2兆円≒120億ドルと推定しています。

人工筋肉・ソフトアクチュエータとの連携により発展していくと予想される事業分野

危険作業ロボット・管内作業ロボット・人命救助ロボット(Hibot社)

危険作業ロボット・管内作業ロボット・人命救助ロボット(Hibot社)

3Dプリンタ製インテリジェント義手

3Dプリンタ製インテリジェント義手

福祉車両

福祉車両

TESLA MORTORS 東京モーターショー2013

手術ロボットマスタ-スレイブ連携に人工筋肉利用

手術ロボットマスタ-スレイブ連携に人工筋肉利用

この市場で活躍する可能性が高い職種です。

この市場で
活躍する職種

機械系エンジニア

意匠設計

メディカル系
商品開発

電気系エンジニア

IT・通信分野研究開発

メディカル系
技術サポート

化学分野研究開発

医療機器開発

バイオ分野研究開発

組み込み分野
研究開発

機械・金型設計

総括

物理的・化学的エネルギーを動力に変換して、ロボットの関節を屈伸させるなど、物を動かしたり制御したりする機械的・流体圧的な機構をアクチュエーター(actuator:作動装置)と呼ぶ。人工筋肉は、素材自体が伸縮性を有するソフトアクチュエーターであり、圧縮空気をゴムホースに導入して伸縮させるゴム人工筋肉や、導電性ポリマーに電圧をかけて伸縮させる人工筋肉、カーボン・ナノチューブに電圧をかけて伸縮させる人工筋肉、形状記憶合金を過熱したり冷却したりして伸縮させる人工筋肉、磁性ゲルに磁場を与えてゲルの体積を変化させることにより伸縮させる磁性ゲル人工筋肉(フレキシブルポンプ)などがある。

人工筋肉の応用形態としては、ロボットや重機などにおける人間の骨格筋を模した文字通りの人工筋肉や、人工心臓・人工肛門等の人工臓器の駆動素子等のマクロな系への応用(パワーアクチュエーター)のほか、薬物徐放システム用デバイス、マイクロポンプやマイクロバルブ等のミクロな系への応用(マイクロアクチュエーター)も進められており、人体の動作を支援する動作支援装置やヒューマノイド・ロボット、湾曲動作をなす内視鏡装置など、様々な特許も生まれているさらに、石油依存・原発依存からの脱却が世界的な課題とされる今、「エナジー・ハーベスティング」(エネルギーの収穫)という新しい概念が興りつつある。この収穫技術は太陽光などの自然エネルギーだけに限定されるのではなく、ハイブリッド車や電動アシスト自転車が、ブレーキをかけた時の制動エネルギーを、電気エネルギーに回生変換するシステムや、人が歩いたり走ったりして生じる運動エネルギーをバッテリーに蓄電するシステムなども含まれる.たとえば、SRI(Stanford Research Institute)は、シリコンでできた薄い膜が変形すると電気エネルギーを作れる発電システムを開発した。この技術を使えば、ポリマーに電気を流して筋肉を収縮させるのとは逆に、筋肉が収縮したら電気が発生する仕組みで、人の呼吸で携帯電話の電源をまかなうことも期待されるという。

このように、人工筋肉アクチュエータは、ファクトリー・オートメーションから人命救助、人工臓器、エコ発電など既に幅広い分野での応用が期待されているが、新しい発想と挑戦があれば、その活躍の場はまだまだ広がると考えられる。

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