食糧・水・土壌・資源

CCS(二酸化炭素の回収・貯蔵)

2025年グローバル市場規模予想

2000億ドル

CCS(二酸化炭素の回収・貯蔵)
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯蔵技術)とは、大規模なCO2発生源から排出されるガス中のCO2を、分離・回収し、それを地中もしくは海洋の深部に貯留・隔離することにより、大気中にCO2が放出されるのを抑制する技術である.省エネルギー、再生可能エネルギー等CO2の排出が極めて低いエネルギーの導入や、低炭素含有燃料への転換などによる温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の排出量削減などとともに、地球温暖化の緩和策として大きな期待が寄せられている。

CCSの活躍の場

さまざまなシーンでの利用 特徴
石炭火力発電所へのCCSシステム搭載天然ガスからのCO2分離・貯留回収・貯留したCO2の利用(液体燃料等への転換)
各種プラント・工場へのCCSシステム搭載
回収・貯留したCO2の利用(ポリマーなど素材開発)
回収・貯留したCO2の利用(藻類培養、藻場育成、水中植物工場)

CCSのグローバル市場規模推定

CCSの実用化には高額の先行投資が付きまとい、CCS単体での事業躍進は難しい。しかし、CCSによって得られた炭素資源の付加価値を高めることで、事業としての魅力は大きく広がる.地下資源開発はもとより、ジェット燃料などの液体燃料や高分子材料の原料、海洋植物工場など新たな市場形成との連携を図ることにより、市場規模は大きく膨らむ。

参考:カーボンキャプチャー(CCS)市場、2030年には1280億~2210億ドル規模に
news.livedoor.com/article/detail/4516973/

CCSとの連携により発展していくと予想される事業分野

石炭・石油関連エネルギー産業、火力発
電、鉄鋼・重工業系プラント、等々

需要が見込まれる産業分野は多いものの、いわゆる旧来市場であり現在策定中の130市場の中にはほぼ含まれていない

液体燃料・再生可能メタノール・ギ酸・
新エネルギー開発

バイオマス(ゼロエミッション)と並び、回収貯留したCO2の有効活用として、ジェット燃料等のエネルギー資源への転換が有望

新素材・複合材料開発

ポリマー合成、処理

資源開発

石油増進回収(EOR)、コールベッドメタン増進回収(ECBM)

強化地熱システム

作動流体としてCO2を利用

藻類培養、藻場育成、海中植物工場

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この市場で
活躍する職種

機械系エンジニア

プラントエンジニア

電気系エンジニア

化学系開発

機械系分析・評価

化学分野研究開発

総括

2014年10月にデンマーク・コペンハーゲンで開催された「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第40回総会で採択された「第5次評価統合報告書」では、「過去100年で、地球全体の平均気温は、約0.85度上昇した.このまま何も対策を取らないと、温室効果ガスの濃度(現在はCO2換算430ppm)は、2030年には450ppmを超え、2100年には750から1300ppmに到達.その場合、地球の平均気温は、産業革命前と比べて3.7℃~4.8℃上昇する可能性が高い」としたうえで、第3作業部会(気候変動の緩和)報告書では、産業革命前に比べて気温上昇を2℃未満に抑えられる可能性が高いシナリオ(以下、「2℃シナリオ」)において、世界全体で、再生可能エネルギー、原子力、二酸化炭素回収・貯留(CCS)付き火力・バイオマスエネルギ̶などの割合が2050年までに現状の3倍から4倍近くになることを強調している.特に、2100年までにCCSなしの火力発電がほぼ完全に廃止されるとし、これらが達成されない限り、全球で2℃以上の気温上昇が起こり、農水産業はじめ、経済活動や人類の健康や福祉、文化にも甚大な影響があるという警鐘を鳴らしている。

しかし、 CCSは、基本的に省エネルギーや再生可能エネルギーとは異なるタイプの技術である。CCSの実験プロジェクトでは、CO2の処理コストは1トンあたり80~120ドルかかる(マッキンゼーレポート)といわれるように、高コストが負荷となり、単独では経済的なインセンティブが働かない温暖化対策に特化した方策であり、CCSの実用化に当たっては、解決すべき課題が多い.技術進歩によるコストダウンはもとより、法制度の整備、環境や安全性への対応、社会的受容性の獲得といった課題を解決していく必要がある。

その一方、CCSは、技術力を有する我が国の企業にとっては、海外市場を含め今後の大きなビジネスチャンスとなる可能性もある.排出削減への対応は、企業にとってコストであり、リスクを伴うものでもあるが、対応次第では逆に、競争力の源泉にもなり得る。とりわけ、成長力旺盛なアジア、アフリカ地域は非常に魅力的な環境開発市場といえる。 日本政府は、北海道で初の大規模実証事業を進めているほか、今秋から日本近海で適地調査に乗り出す方針.環境省と共同でCCS事業を進める経済産業省の幹部は「地球温暖化対策の切り札となる革新的技術」と強調、2020年頃の実用化を目指す。

海外でのCCSへの取り組みを見ると、欧州諸国を中心に、CCSの実用化に向けた機運が急速に高まっている.主要国首脳会議(G8)の気候変動、クリーン・エネルギー、持続可能な開発に係る国際会議などが国際エネルギー機関(IEA)等の場で頻繁に開催されている。また、近年、欧米諸国のみならず、産油国等の途上国もCCSに関心を示し始めている。こうした国際的な潮流から我が国が取り残されることなく、産学官が連携してCCSへの取組を強化することが望まれる。

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