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「DMMは事業会社のイメージが強いですが、実際はエンジニアがスピード感をもって新しいこと・やりたいことに集中できる会社」DMM.comラボ(後編)エンジニアインタビュー

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左から順に遠藤さん、高橋さん、加嵜さん、吉田さん

左から順に遠藤さん、高橋さん、加嵜さん、吉田さん

インタビュー前編では、城倉CTOに会社全体の状況や未来についてお話を伺いました。
後編では、イベントへの登壇や著書の執筆、新規サービスの立ち上げなど各方面で活躍するエンジニア4人の方に、DMM.comラボへの入社の経緯や、会社の強み、DMMだからこそ感じるエンジニアとしての面白さなどについてお話しを伺いました。


■DMMの特色はとにかく「スピード感」


―インタビューの前編で城倉CTOにお話を伺ったのですが、後編ではもう少し現場寄りの話を聞ければと思っています。まず簡単に部署と社歴を教えてください。

遠藤:Okan開発部の遠藤です。2015年に新卒入社して今年で3年目です。DMMOkanという家事代行サービスを担当しています。

吉田:システム本部ビックデータ部の吉田です。私も遠藤と一緒で2015年に新卒で入社して今年で3年目になります。

加嵜:吉田と同じシステム本部ビックデータ部の加嵜です、私は2014年4月に中途入社し4年目です。

高橋:インフラ本部XaaS部の高橋です。多分今日のメンバーで一番古参で、2013年11月に中途入社しました。

 

―高橋さんと加嵜さんは、中途入社ですが以前はどういう経歴だったんですか?

高橋:私は2001年から社会人をしていて、最初は基幹系のかなりお堅いエンタープライズ寄りのシステムをやっていました。その次に前職でインターネットサービスプロバイダ、そしてDMMと徐々にコンシューマー寄りの事業会社に移ってきた感じですね。

加嵜:私は大学院で情報系のマルチメディアデータベースの研究やレコメンド・検索エンジンのアルゴリズム研究をしていて、在籍中に学生5人で会社を創り、研究のビジネス的な応用を考えていたりしました。その会社はうまくマネタイズできませんでしたが、やはりコンテンツやプラットフォームを抱えている会社は強いなという考えになり、DMMに入社しました。

 

―DMMの印象、入社する前と入社後で変化はありましたか

遠藤:想像通りでした。GOサインが出たらスピード感のある開発をしてサービスリリース、というイメージを持っていましたが、実際その通りでした。

高橋:私が入社した2013年頃は、いまほどブランドが無かったと思います。正直入る前は20%くらい怪しいと思っていて(笑)この会社大丈夫かな?って、でも当時の面接官の人柄に惚れて入社しました。

元々エンタープライズ寄りのシステムをやっていたので、入社したあと社内の環境を見て正直勢いでやってるというか「酷いな」って(笑)その未成熟な感じが逆に面白かったです。

加嵜:僕もあまり入社前後でギャップは無かったですね。10年くらい前からDMMのサービスは色々見ていて、新しいサービスをどんどん出して、難しければ素早く判断して閉じる。その印象通りでした。

吉田:就職活動の際に色々な会社を調査して行く中でDMMを知ったのですが、新規事業の立ち上げが早く、とにかくスピード感がある会社だなという印象でそれは入社してからも変わっていません。強いて言えば入社前はあまり「技術の会社」ってイメージは強くなかったですね。

高橋:たしかに技術ってイメージは無かったかも。

吉田:でも実際現場に配属されてみると、新たなOSSの導入を積極的に検討していたり、エッジの効いたエンジニアの先輩がいたり、良い意味で裏切られました。その先輩がここにいる加嵜さんなんです。

ビッグデータ分析やSparkでの著書もある加嵜さんは、勉強会でその知見を共有している。(画像:DMM.comラボ エンジニアブログ

 

 


■「会社というよりインキュベーション施設のような。常に変化し続けてます」


―DMMでエンジニアとして働く特色って何かありますか

遠藤:先程からみんなスピード感と言ってますが、「まずやってみよう」とすぐにサービスを形にして出すことがよくあります。新規で何か立ち上げたい人にとっては魅力的な環境だと思います。

高橋:確かにスピード感ありますね、組織自体も変化し続けていて。ただ「特色」ってどうなんだろう。(3人に向かって)何かある?

吉田:決まったカラーというより、個性を持った人が多く、常に変わり続けているイメージですかね。

加嵜:個人的に、DMMは「一つの会社組織」という意識があまり無くて、どちらかと言えば「インキュベーション施設」みたいな、やりたいことを1人1人が持っていて、その人たちが集結してる印象があります。

3人:あー(深く頷く)

加嵜:一度会社を立ち上げた経験があるので、実際に会社をやる場合人事とか法務とか本当に色々な手続きややらなきゃいけない事が多くて大変なんです。その辺りは会社全体として仕組みがありますし、人材採用したいとなればサポートもしてくれて、やりたいことに集中できるなという感じですね。

 

―インキュベーションというのは雰囲気がわかりやすいです。

加嵜:高橋さんと一緒で、僕も会社全体での印象とかカラーはちょっとわからないです。1人1人が違う目線を持っていて各自やりたいことをやってる。その集合体。

吉田:僕も新卒で採用された身として、入社する前にある程度どんな事業をやっているか調べるじゃないですか。それでも入社後に「あ、こんなこともやっていたのか」とか、知らないうちに新しいサービスがリリースされていて、それを後日談で知る、みたいなことが多々ありますね(笑)

高橋:わかる、それあるよね。

 

―ラボにはエンジニアが500名くらいいるとのことですが。この4人は普段交流あるんですか。

高橋:いや、実は(遠藤さんのほうを向いて)はじめまして、高橋です。

遠藤:あっ、はじめまして遠藤です(笑)私と吉田は新卒同期なので交流がありますが、この4人で集まるのは初めてです。

高橋:私は特にインフラ部分の低いレイヤーの面倒を見ているのですが、その部署がずっとオフィスが別、六本木に移転するタイミングでやっと一緒の場所で働くようになったんです。せっかくなのでこれから交流していこうかなと思っています。

吉田さんの所属するビッグデータ部では1日2億レコード以上の行動ログを活用した施策を打ち、その成果について勉強会で共有している。(画像:DMM.comラボ エンジニアブログ

 

 


■新しいシステムを試験的に導入して好評だと、社内口コミが発生する


―そういえばCTOの城倉さんにお話聞いた時、思った以上に新しいフレームワークや仕組みを意欲的に導入してると思ったのですが。

遠藤:私のチームはDMMOkanという社内でも比較的新しいサービスのチームなので、試験的にスクラムチームを組んで開発としています。スクラム開発メンバー内で問題を把握できるようにホワイトボードに付箋を貼って常に問題が見えるようにしてます。

高橋:遠藤さんが言うように新規サービス単体だと「スクラムの手法をとる」という風に色々新しいものに取り組んでみようと進めたりしますね、一方でプラットフォームサービスについてはどうしても既に使ってる古い仕組みがあるので少しづつ移行したり。

加嵜:ビッグデータ部でも、新しい解析基盤を作って乗り換えてもらう側なんで、従来サイト内で使っている検索システムとかを、僕らが作ったものに乗り換え検討してもらうよう社内営業かけたり。

 

―社内営業?

加嵜:トップダウンで「今日からこの仕組み使え」ではなく、現場で試行錯誤をしてそれで成果が出たら他の事業部にもアピールしたりするんです。

吉田:例えばオンラインゲームの部署に新しい仕組みを提供していい感じだとなったら、その噂が動画サービスの人に伝わって「うちも試してみる?」とか

 

―いわば社内口コミですよね

4人:そうそうそうそう(笑)まさに社内口コミ。

吉田:で、評判を聞きつけた部署の方たちと一回ミーティングして検討してもらうっていう。

高橋:社内で最初のファンを掴むのが大事だよね、最初の1人目が大変。

 

―働いてる人同士のライバル心とかどうですか

吉田:例えば私と遠藤君なら同期なので、凄く助け合いますね。私が外で登壇するとなればスライド作成や発表内容をレビューしてアドバイスをくれたり。逆に遠藤君が新規事業提案する時に同期のみんなで事業案を指摘したり、応援しあう関係性はあると思います。

・・・とはいえ、内心はちょっと悔しかったりしますよね。同期が社内外で活躍しているのを見てると心のどこかで「次は私だ」と(笑)みんなどこかしら我が強いとは思います。

3人:(笑)

 

―でも我の強さって大事ですよね。

加嵜:自分のやりたいことを持っていて、それを言うだけじゃなくて実行力がある人は結果出してるなと思います。

遠藤:エンジニアに限ると、1つの事をエキスパートというより幅が広くできる人のほうが、多方面で活躍してるなと個人的には感じています。社内で名前をいい意味でよく聞く人は幅が広いタイプだなと。

高橋:好きなことをやればいいではなくて、必要なことをやるのが大事な気がします。
自分が好きでやりたいことばかりやるのではなく、ニーズを掴んで実行できる人。

手段と目的は入れ替わっちゃダメですし、好き勝手に我だけ通してうまくいってるかというと活躍してる人はちょっと違う、時流を読んで必要なものをしっかり当てている印象です。

 

 


■3年後何やってるか想像つかない。それがこの会社のいいところ


―DMMがここ数年変化した、という話をCTOの城倉さんともしました。4人は今後いまとは全然違うことをやってみたいとかありますか?

遠藤:正直、3年後とかに何やってるか全然想像つかないです。そこがこの会社の良いところだと思うんですが。

高橋:本当にわかんないよね。

加嵜:入社する時に面接で「この会社の5年後、10年後のビジョン」を聞いたんですけど「ない」って言われて。

3人:(笑)

加嵜:そういう会社なんです。

吉田:全然違う事では無いのですがビッグデータ解析の面だと社内にサービスが沢山あるので、ユーザーのデータ活用の面で色々面白くなると感じています。

例えばAのサービスとBのサービスの利用率の相関から、より効果的な施策を打つことが可能になったりなどが考えられますね。サービスの数に比例してユーザーの行動の幅も広がりデータも増加するので、様々な角度からユーザーの深い分析が出来るようになると思います。

なのでこれからもサービスが増えることは、ビッグデータという観点でとても面白いことだとと思います。個人的にはどんどんサービスが増えて欲しいです(笑)

加嵜:ビッグデータって視点で考えると、結構似たようなアイデアになるんですよね。
個人的には、もっと異なる突拍子もないものの組み合わせに興味があります。

DMMってネットサービスに限らず色々やってますから、例えばアフリカでのビジネス支援をデータ解析基盤を活用してやってみるとか、最近DMM picturesというアニメのレーベルも始めたので機械学習の力で人的コストを激減させるとか、そういうのを現実的に試せる環境だなと思います。

 

―4人は外部のイベントに登壇したり、本を執筆されたりしてますが、社外の反応で何か思う事ありますか。

吉田:やはりもっとテクノロジーの会社だと思われたいですね。
DMMってテクノロジーの印象が薄いと思うんですが、中にいると高橋さんや加嵜さんのように技術レベルの高い人が沢山いますし。

遠藤:確かに、
IT企業として、技術のイメージがあまり持たれてないのかなと思うことは多々あります。メルカリみたいにネイティブアプリにとても強いと言ったものもないので、今後そういった面が伸びるといいなと思います。

高橋:僕はインフラ部門ですが、外で同業他社の方と話すと、結構悩んでるポイントは一緒だなと感じます。「どうしてます?」「大変ですよねえ」なんて話して帰ってくるんですけど

3人:(笑)

高橋:あとDMMのインフラ面で特徴的なのは、非常に太いネットワーク帯域を確保してる点かもしれないです。動画配信のサービスもあって、大量のトラフィックをサービス側から送り出す。ここは他社と違うなと思いますね。

加嵜:確実にここ3年でブランド力は上がったと思います。ビッグデータ関連だとSparkをテーマにしたイベントで登壇して感じます。入社する時はまだまだ知名度も低かったので(笑)

 

―ちなみにDMM以外で気になる会社ってあります?

遠藤:Wantedlyですね。Wantedly Peopleのアプリが他と比べても名刺認識速度が速かったり、複数枚読み込み可能出会ったりとても技術力が高いと感じました。また、デザインもシンプルで良いなあと。

吉田:メルカリですかね。技術ブログの記事がコンスタントに話題になっていて、技術の会社だなというイメージが強いです。

加嵜:2つあって、1つがPEZY Computingです。日本のベンチャーで消費電力当たりの世界スパコンランキング1位を獲得するという成果を挙げている点です。
もう1社がABEJA、ディープラーニングをコアテクノロジーにした事業で、GoogleやFacebookが参入しきれていない小売で成果を伸ばしているなと。

高橋:ワークスアプリケーションズです。合理的且つエンジニアにとって非常にチャレンジングな技術選定をされていてすごいなと思います。

―ありがとうございます。最後に何か記事読んだ方にメッセージとか

高橋:えーと・・・「興味がある人、気軽に話しましょう」って伝えたいです。

3人:笑

 


プロフィール
株式会社DMM.com ラボ
高橋 尚史:インフラ本部 XaaS部チーフ
加嵜 長門・ビッグデータ部レコメンドチームリーダー 共著「ビッグデータ分析・活用のためのSQLレシピ」「詳解Apache Spark
吉田 龍馬:ビッグデータ部 DREチーム
遠藤 隼:Okan開発部

インタビュー:波多野智也(アスタミューゼ株式会社)

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