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2025年グローバル市場規模予想
15.5億ドル
人工関節も含めた整形用インプラントの世界市場規模は約3兆3800億円、そのうち人工関節市場は約1兆1900億円存在し、人工関節の占める比率は35%となる。(2011年 Orthopedic Outlookより)アジアにおける人工関節も含めた整形用インプラントの市場は約6500億円(2011年 The World Medical Markets Fact Book 2012より)であるので、上記の世界市場における人工関節の占める比率35%と同じと仮定して類推すると、アジアの人工関節市場規模は約2300億円となる。さらに、65歳以上の高齢者人口の割合は、United Nations,“World Population Prospects 2006”によると、アジア全体では7%(2010年)⇒18%(2050年)に増加すると見込まれているので、今後さらなる市場の拡大が期待される。
上記を基に、2025年における、変形性関節症早期診断市場を推計する。まず、人工関節全体の市場規模が毎年10%成長していると仮定すると、10年後、1兆1900億円の2.6倍の3兆940億円≒309.4億ドルに成長していると予想される。そのうち、早期診断・早期治療(人工関節置換の回避)に置き換えられる部分を1割と仮定すると30.9億ドルとなり、その半分を早期診断法の費用とすると、早期診断の2025年グローバル市場規模は15.5億ドルと予想される。
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加齢や重労働だけでなく、スポーツや肥満によっても引き起こされる関節軟骨の磨耗。それを引き金とする変形性膝関節症(KOA:Knee osteoarthritis)の患者数は、東京大学病院22世紀医療センターの2009年の調査によると、日本国内に限っても、2,530万人(男性860万人・女性1670万人)を数え、米国ではその倍以上と言われる。多くが炎症による関節液の過剰滞留があり、痛みを伴う。軟骨が完全剥離するまで進行すると、大腿骨と脛骨が直接こすれることで激しい痛みが生じ、歩行が困難になる。ヒアルロン酸注入など薬物投与や歩行補助器具装着によっても改善しない場合、手術が行われる。手術には、関節鏡(arthroscope)と呼ばれる直径4mmほどの太さの内視鏡(=関節鏡)など棒状器具等を6mm程度切開した2-3箇所の穴から膝内部に入れて行なわれる小規模の「関節鏡視下手術」(半月板や軟骨、滑膜や骨棘の除去など)と、膝関節の骨そのものを人工関節に置き換えたり金属プレートやクサビ型の骨を埋め込むなどの大掛かりな「高位脛骨骨切り術」や「人工膝関節置換術」とがある。 2011年における国内での人工膝関節置換術 (TKA) 約7万件、人工股関節置換術 (THA) 約5万件で、毎年右肩上がりで増加中である。
スポーツ人口の増加により、関節軟骨の摩耗は日常的に起こりうるが、X線(レントゲン)撮像やMRI検査では初期段階は発見が難しく、また、関節鏡下でも、正常軟骨と変性軟骨の境界が明瞭に識別できないため、医師の経験と技量に委ねられる部分が大きい。早期発見を逃すことは症状の進行を来たし、さらに進行が進めば手術を選ぶことになるが、定期的に非侵襲的あるいは低侵襲的な診断を受け、軟骨変性の有無や進行状況を把握できれば、進行を未然に抑える対策を講じることもでき、QOLの維持に寄与する。
現在、軟骨を特異的に認識し、変性部位を明瞭に可視化する診断指示薬は存在しないため、軟骨変性の早期対策や変性の精密な識別はできない状況にあり、早期に軟骨変性を抑える適切な治療を施さねば人工関節手術を選ぶことにも繋がる治療満足度の低い「アンメット(Unmet)領域」の疾患でもあり、軟骨再生医療ならびに、その前段階の早期発見、早期治療方法の確立が強く求められる。