総務省によると、企業の好業績などを背景に、企業や大学・研究機関などの2014年度の科学技術研究費総額が前年度比4.6%増の18兆9713億円となり、2年連続の増加で、リーマン・ショック前の07年度(18兆9438億円)を上回って過去最高を更新しました。また、国内総生産(GDP)に占める比率も3.9%と過去最高を記録している。
一方で、国立大学に対して支給される「運営費交付金」の削減方針を受けて、多くの大学が競争的資金である科研費(科学研究費助成事業)の応募・採択に目標を設定するなど、大学側の科研費に対する意識が変わりつつある。(※1)
そこで今回は、有望成長市場のうちの一つであり、総額約57億円の科研費を獲得している「ロケット・宇宙航行システム」市場における大学・研究機関別の科研費獲得ランキングを発表する。
(※1)1月27日付 日刊工業新聞Newsウェーブ21より
■「ロケット・宇宙航行システム」市場における大学・研究機関別(※2)の科研費獲得ランキング(※3)
(※2)研究代表者が所属する大学・研究機関
(※3) 2006~2015年の交付分。2016年1月時点でデータ取得
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1位の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は中橋 和博航空本部長らによる「ペタフロップス級計算機に向けた次世代CFDの研究開発」(2億1424万円)など98件で約13億7339万円を獲得。
2位の東京大学は武田 展雄教授らによる「複合材構造の損傷許容設計実現のための光ファイバセンサ監視システム」(1億0322万円)など92件で約8億3882万円を獲得。
3位の東北大学は浅井 圭介教授らによる「惑星大気圏飛行のための実気流風洞試験技術の研究開発」(5005万円)など48件で約5億9118万円を獲得。
4位の名古屋大学は佐宗 章弘教授らによる「Fly By Light Power:低パワーによる飛躍的な高速空力性能の向上」(2億2373万円)など31件で約4億8084万円を獲得。
5位の九州工業大学は趙 孟佑教授らによる「宇宙システムの高電圧化に向けた超小型衛星による帯電・放電現象の軌道上観測」(1億5080万円)など20件で約3億7283万円を獲得。
6位の東京農工大学は都木 恭一郎教授らによる「ヘリコン源を用いた先進的無電極プラズマロケットエンジンの研究開発」(2億0891万円)など6件で約2億3912万円を獲得。
7位の九州大学は山本 直嗣准教授らによる「ホールスラスタの耐久性向上に関する研究」(2197万円)など28件で約1億3835万円を獲得。
8位の北海道大学は永田 晴紀教授らの「高レイノルズ数域におけるCAMUI型ハイブリッドロケットの燃料後退機構の解明」(4290万円)など11件で約1億2067万円を獲得。
9位の神戸大学は賀谷 信幸教授らの「宇宙太陽発電衛星の実用発電送電パネルの開発とハワイでの実証マイクロ波無線送電実験」(1872万円)など12件で約1億1457万円を獲得。
10位の大阪府立大学は小木曽 望准教授らの「大型高精度宇宙スマート構造システム設計のための計算機および試験検証の融合」(2561万円)など15件で約1億12万円を獲得。
次回は2月15日、「仮想現実(AR・VR・SR・MR)・3D投影」市場における科研費獲得ランキングを発表予定。
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