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「マイクロバブル・ファインバブル」市場における科研費獲得金額ランキングTOP50

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どのようなテーマが共感を呼び、どのような形で投資を集めているのか、世界中の特許/論文、科学技術研究費、ベンチャー投資、クラウドファンディング情報などを集め、独自に分析する本企画。

今回は、180の有望成長市場のうちの71番目である「71. マイクロバブル・ファインバブル」市場における大学・研究機関別の科研費獲得金額ランキングを発表、さらに注目すべき研究テーマを紹介する。


 

■総投資額31億円、全大学/研究機関122、563テーマ中、「71. マイクロバブル・ファインバブル」市場における大学・研究機関別(※1)の科研費獲得金額ランキングTOP50(※2)

(※1)研究代表者が所属する大学・研究機関
(※2) 2006~2015年の交付分。2016年3月時点でデータ取得

 

■注目すべき研究テーマをご紹介

(※)敬称略
(※)所属機関・肩書は申請当時のものを適用

「超音波による微小気泡の凝集体形成を利用した生体内細胞デリバリー技術の創成」(東京農工大学 桝田晃司 准教授 他/3432万円)
マイクロバブルは医療現場では血管造影検査を行う際に血流を超音波で可視化するために使用されている。この研究では超音波により形成される3次元空間(音場)を時間的に変化させた4次元音場を患者の体内に形成し、薬剤を含ませたマイクロバブルをがん組織などの標的治療患部まで誘導することによって局所的に薬剤を集積・濃度上昇させ、投薬・治療効率を向上させることを目指す。さらに、マイクロバブルに振動を加えて発熱させることによって標的治療患部の温度を上げる温熱療法への応用なども目指している。

「ストレスマネージメントによる微生物全細胞統制技術の開発」(群馬大学 伊藤司 准教授 他/2470万円)
微生物の細胞外多糖は微生物の薬剤耐性を高めるだけでなく、下水処理場の膜ファウリングの原因などでもある。この研究で開発された微細気泡発生装置を用いて微生物を培養すると微生物のストレス低減から細胞外多糖の生成を抑制できることが見出された。この研究結果から、制御空間内では微生物の細胞外多糖生成を抑制でき、一方で非制御空間へ微生物を排出した際には細胞外多糖が少ないために消毒殺菌効果を向上させることが期待できるため、産業利用を目的とした新しい技術開発を目指している。

 「多機能性マイクロバブルを利用した非侵襲超音波診断/治療システム」(東京大学 松本洋一郎教授 他/ 4953万円)
マイクロバブルと超音波を用いた温熱療法を行う際、標的治療患部のみにマイクロバブルが分布していれば超音波を照射した際に効率の良い加熱を得ることが可能である。この研究ではマイクロバブル破壊用超音波を適切に照射することにより様々な種類のマイクロバブルに対して加熱領域形成が実現できることが確認された。この加熱領域形成の手法が考案、開発されたことによりマイクロバブルと超音波を用いた理想的な診断/低侵襲治療統合システムを構築できる可能性が示唆された。

 

■「71. マイクロバブル・ファインバブル」市場について

マイクロバブルとは発生時の気泡直径が50μm以下の微細な気泡であり、通常の気泡が水中を急速に上昇して表面で破裂して消えるのに対して、水中で収縮していき消滅(完全溶解)する。このように気泡自体が含む気体を水に溶解させ、また消滅時に発生するエネルギーにより有機物を分解する働きを利用した応用事例が、様々な分野で広がりを見せている。

微細な気泡を発生させるファインバブル技術は、供給側では製造装置産業、計測器産業、エンジニアリング産業等が関係し、需要側でも、土木関連、医療関連、薬品関連、化粧品関連、半導体関連、食品関連、飲料関連、農林水産関連までが関係する裾野の広い技術であり、市場が拡大することが予想される。

現在フェーズでは成長前夜、近未来フェーズ(5-10年以内)では成長開始、未来フェーズ(10年以上先)では成長期と見込まれている。

主な技術要素としては、「オゾン溶解装置・油水分離」「汚染土壌浄化」「植物の成長促進」などがあり、主な技術・製品・サービスとしては、株式会社ニクニのマイクロバブル発生装置、株式会社APJの水耕栽培(ミニトマト・サンチュ・イチゴ)などがある。

また、この市場の主なプレイヤーとしては、シャープ株式会社株式会社東芝、産業技術総合研究所などがあり、180の有望成長市場における主な関連市場としては、「29. 細胞培養・バイオリアクタ・CPC」「72. 食品リサイクル・生鮮維持/包装」「93. 魚類養殖」などがある。

astavisionでは、この市場の2015年世界市場規模を333億米ドルと推定、2025年世界市場規模を1083億米ドルと推定している。


 

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