astavisionの提唱する180の「成長市場」のうち、「ワクチン・自然免疫制御」市場における各大学・研究機関の特許出願件数(2005~2014年)を調べてみた。その結果をランキング形式でご紹介する。
「ワクチン・自然免疫制御」市場について
2009年6月、世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザA(N1H1)のパンデミック(世界的大流行)を宣言、日本でも一気に危機感が高まった。このとき、日本におけるインフルエンザワクチン供給力の低さが露呈し、海外のワクチンの緊急承認による輸入解禁という事態に至った。近年、自然免疫に対する理解の進展により、DNAワクチンや細胞ワクチン、人工ウイルスなど、ワクチン自体の概念も変わりつつある。折しも、2014年夏のエボラ出血熱の欧州・米国への感染拡大により、日本国内でもワクチンの製造供給体制に対する危機意識が高まった。今後、世界的に新世代ワクチンの開発競争が過熱することが予想される。
ランキング詳細
1位は大阪大学。「ワクチン・自然免疫制御」市場で出願している技術には、「新規マラリアワクチン」など32件がある。
1~3位までは非常に僅差で、2位の国立感染症研究所は「鳥インフルエンザワクチン」など31件、3位の東京大学は「制御性T細胞の増殖または集積を誘導する作用を有する組成物」など30件を出願している。
4位の北海道大学は「diRNAを有効成分とする免疫治療用薬剤」など24件、5位の理化学研究所は「癌治療用人工リンパ節」など22件を出願している。
astavision「ワクチン・自然免疫制御」市場ページでは、この市場に参入している企業、2025年のグローバル市場規模、この市場で活躍できる職種などを紹介している。