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「がん医療」市場で特許出願件数の多い大学・研究機関トップ5

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astavisionが提唱する180の「成長市場」のうち、「がん治療」市場における各大学・研究機関の特許出願件数(2005~2014年)を調べてみた。その結果をランキング形式でご紹介する。

 

「がん医療」市場について

国立がん研究センターの統計予測によると、2015年の国内全がん罹患者数は982,100人、同死亡数は370,900人と見込まれている。医学薬学の飛躍的進歩の中でも、依然、がん(悪性新生物)の脅威は治まっていない。2012年度-2016年度の5年間を対象とする「がん対策推進基本計画」では、1.がんによる死亡者の減少(75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少)、2.苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上、3.がんになっても安心して暮らせる社会の構築が全体目標とされている。さらに、重点的に取り組むべき課題として、放射線療法・化学療法・手術療法の更なる充実、心のケアを含めた全人的な緩和ケアの推進、がん登録の推進、働く世代や小児へのがん対策の充実が挙げられている。

医療技術としては、miRNA(マイクロRNA)マッピングなどの早期発見技術と同時に、早期治療技術の確立が急務となっています。早期治療には生体の自然免疫システムを活性化する免疫細胞治療や遺伝子治療が期待されている。また、がん幹細胞の弱点を突き止めれば、がんの根治に繋がる可能性もある。臓器再建に向けての再生医療も根強く望まれている。

医療サービスも含めたがん医療全体としては、身体により優しい低侵襲性治療や、様々な分野の専門医・分野の壁を外して治療に参加する集学的治療、全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう医療技術等の格差の是正を図る「均霑(てん)化」が重要になってきた。

OECD諸国の医療費を対GDP(2012年)でみると、日本は約10.3%、米国以外の主要先進諸国も概ね10-12%程度だが、米国だけが16.9%と突出している。米国でのがん医療費は3倍以上といわれ、人口が2倍であることを考慮しても、高い水準にある。これらを考慮して、astavisionでは全世界規模でのがん医療費を、2020年時点で60兆円≒5000億米ドル程度と推定している。

ランキング詳細

1位は東京大学。「がん幹細胞分子マーカー」など188件を出願している。

2位の産総研は「薬剤が細胞に与える影響を評価するシステム」など139件、3位の北海道大学は「放射線治療増強薬及び放射線抵抗性癌の治療方法」102件を出願している。

4位の京都大学は「新規抗腫瘍剤及び新規抗腫瘍剤のスクリーニング方法」など98件。5位の理化学研究所は「放射線線量測定用のゲル線量計およびその製造方法」96件を出願している。

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