移動通信は今まさに新しい時代を迎えようとしている。移動通信サービスの新たな規格である「第 5 世代」 (5G)について、2020 年 3 月 25 日にドコモ、同月 26 日に KDDI、同月 27 日にソフトバンクがそれぞれ商用サービスを開始した。移動通信サービスの歴史を振り返ると、最初の移動通信サービスは 1980 年から 90 年代 にかけて利用されたアナログ無線通信技術に基づく「第 1 世代」である。90 年代に入るとデジタル無線通信技術に基づく「第 2 世代」に入りデータ通信サービスが流行した。2000 年代に入ると「第 3 世代」の時代に入り、国際連合の専門機関である ITU（国際電気通信連合）が初めて世界の標準化を進めた。日本においては、NTT ドコモの i モードによるデータ通信が普及し、写真、音楽、動画などのマルチメディア情報を誰でも通信できる時代に入った。そして 2010 年代に入ると高速化技術「LTE」（Long Term Evolution）方式による 100Mbps を超える高速通信技術によってスマートフォンが爆発的に普及し、多種多様なマルチメディア通信サービスが登場した。そして今、移動通信サービスは第 5 世代という更なる発展期を迎えている。
目次
はじめに
アスタミューゼ社のご紹介
弊社は世界の無形資産・イノベーションを可視化し 社会課題解決と未来創造を実現する、データ・アルゴリズム企業であり、
イノベーション投資の流入に加え、イノベーターの流れを機械的に分析し、データに基づいた成⻑領域を定義している。
本レポートのご紹介
アスタミューゼでは今芽吹きつつある黎明期の技術シーズや今後 10 年から 20 年 のスパンで大きく開花すると期待される初動段階の技術市場に重点を置きつつ、生活文化の中に根 付く技術にも光を当て、総じて未来を創る技術分類の網羅に取り組んできた。
このために、国内第一線の知を結集して全世界の論文・特許、国内外の国際会議やシンポジウム、展示会等の情報並びに独自ネットワークによる口コミ情報を活用し、136 の有望成長市場と、40 の 未来技術を選んだ。主にビジネス視点で策定された有望成長 136 市場を対象にしており、本レポートは、『5G／6Gモバイル通信』の未来推定に特化した内容となっている。
事業会社に向けては、イノベーションに関わる経営課題を中心に戦略構築支援/実行支援を実施しており、
・自社の既存事業の優位性がいつまで続くかわからない
・既存事業の成長が踊り場にきているので、使っている技術 を別で活かせる可能性を探りたい
・既に着手している研究開発を続けるべきどうか、もしくは 自社開発ではない方法があるかを含めて検討したい
といった企業のよくあるお悩みを解決している。
5G／6Gモバイル通信の現状
5G の技術的な特徴は 3 つある。最高伝送速度 10Gbps の「超高速」(enhanced Mobile Broadband; eMBB, LTEの100倍)、接続機器数100万台/km2の「多数同時接続」（massive Machine Type Communications; mMTC, LTE の 100 倍）、遅延時間 1 ミリ秒程度の「超低遅延」（Ultra-Reliable and Low Latency Communications; URLLC, LTE の 1/10）である。「超高速」以外の「多数同時接続」および「超低遅延」の特徴により、「自動車」、「産業機器」、「ホームセキュリティ」、「スマートメータ」といった新しい産業構造の創造も期待されている。また 5G では、通信事業者等がバーティカル産業などのパートナー企業と連携しながら、如何に B2B2X モデルでサービスを提供できるかが、ビジネス上のポイントになると言われている。
今後の見通し・将来性や展望
更に 6G へ向けた構想としては、100Gbps を超える「超高速・大容量」、空・海・宇宙を含む「超カバレッジ拡張」、充電不要も想定した「超低消費電力・低コスト化」、常時安定した「超低遅延」、遠隔操作や自動化を実現する「超高信頼通信」、実世界全てをセンシングするような「超多接続＆センシング」の 6 点が言及されている。今まさに社会実装されつつある 5G から 6G への進展は、どのような産業にとっても大きなビジネスチャンス足り得る大きな潮流であると言える。
近未来 2030年の市場規模予測
アスタミューゼ社による『5G／6Gモバイル通信』現在の世界市場規模推定と近未来の世界市場規模予測。
2022年には推定55億米ドルだったものが、2030年には7,169億米ドルになると予測している。
スタートアップ投資動向と投資額
5G／6Gモバイル通信の2010 年から 2019 年の 10 年間における世界のグラントの資金流入額は総額 $11M である。
本レポートでは、
・世界のスタートアップ設立社数と被投資額の累計/推移
・グラント採択数と総配分額ランキング
・世界のグラント配分額上位25テーマ
・日本のグラント配分額上位25テーマ
を提供している。
現在の主要企業
本レポートでは、5G／6Gモバイル通信分野において、現時点で保有する技術が総合的に優位な企業を各種特許指標から評価し、ランキング形式でリスト化して提供している。
主なプレイヤーとして、
国外では、
・Samsung electronics co ltd
・AT&T inc
国内では、
・ソフトバンク株式会社
などが含まれ、そういった
上位企業の保有する特許の中で、特に競争優位性が高い特許の概要と、最高エッジ指数での定量的な評価を記載している。
最新の技術開発具体例
本レポートでは、5G／6Gモバイル通信における最新の技術開発事例を紹介している。
5G／6Gモバイル通信の未来予測・将来性
未来の構成要素
本レポートでは、5G／6Gモバイル通信に関連する・次世代光ファイバ技術（マルチコア、マルチモード、超広帯域等）
・複数 DSP パラレル信号処理技術
・高周波利用技術（テラ波、ミリ波）
・MIMO 技術高度化
・ネットワーク内コンピューティング技術
・フォトニッ クアクセラレーション技術
などの技術要素と、
そういった様々な技術の進化、新しい可能性の発現、企業の把握すべき範囲を記載している。
未来のストーリー想定
本レポートでは、近未来に、6G 通信の提供が開始する5G／6Gモバイル通信について、
未来のトレンドとして想定し得るストーリーを記載している。
おわりに
本レポートの目次
会社概要
