「Industry4.0(インダストリー4.0)」は、狭義ではドイツ政府が提唱するデジタル技術を用いて製造業を高度化する政策や企業の行動を指すが、広義では世界に通じる普遍的な意味での「第４次産業革命」を表す言葉でもある。現在、世界では情報通信網が発達し、人工知能(AI)の活用が日々進むなか、第４次産業革命と呼ばれる大変革の時代に入っている。蒸気機関により工業化が進んだ18世紀の第１次産業革命、 電化により大量生産が進んだ第２次、コンピュータによる自動化が進んだ第３次に続き、第４次ではあらゆるモノがインターネットにつながる IoT が拡大し、AI を活用することで製品製造の最適化、効率化が進むと考えられている。
目次
はじめに
アスタミューゼ社のご紹介
弊社は世界の無形資産・イノベーションを可視化し 社会課題解決と未来創造を実現する、データ・アルゴリズム企業であり、
イノベーション投資の流入に加え、イノベーターの流れを機械的に分析し、データに基づいた成⻑領域を定義している。
本レポートのご紹介
アスタミューゼでは今芽吹きつつある黎明期の技術シーズや今後 10 年から 20 年 のスパンで大きく開花すると期待される初動段階の技術市場に重点を置きつつ、生活文化の中に根 付く技術にも光を当て、総じて未来を創る技術分類の網羅に取り組んできた。
このために、国内第一線の知を結集して全世界の論文・特許、国内外の国際会議やシンポジウム、展示会等の情報並びに独自ネットワークによる口コミ情報を活用し、136 の有望成長市場と、40 の 未来技術を選んだ。主にビジネス視点で策定された有望成長 136 市場を対象にしており、本レポートは、『Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）』の未来推定に特化した内容となっている。
事業会社に向けては、イノベーションに関わる経営課題を中心に戦略構築支援/実行支援を実施しており、
・自社の既存事業の優位性がいつまで続くかわからない
・既存事業の成長が踊り場にきているので、使っている技術 を別で活かせる可能性を探りたい
・既に着手している研究開発を続けるべきどうか、もしくは 自社開発ではない方法があるかを含めて検討したい
といった企業のよくあるお悩みを解決している。
Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）の現状
日本では少子・超高齢化の進行に伴い労働人口の減少が深刻な問題だ。総務省の労働力調査によると、 2019 年の日本国内の製造業就業者数は 2002 年比で約 12％減少している。人材育成や熟練技術の継承も重要な課題となっている。こうした課題解決には工場のスマートファクトリー化がカギとなる。スマートファクトリー化で生産効率が向上し人件費削減と人手不足解消が可能になる。熟練技術者の技術や知識をセンシングし、さらにデータベース化し客観的に技能・ノウハウを体系化して継承することも期待される。
スマートファクトリーでは、サイバー・フィジカル・システム(CPS)という技術の利用が進む。まず工場内の機械・設備に搭載されたセンサから現実(フィジカル)空間にあるデータを集め、仮想(サイバー)空間内で分析し解析する。サイバー空間で分析した結果をもとに、現実空間での自動制御などに活用する。 このサイクルが CPS であり、工場内での生産の自律化、最適化を目指すものである。
製造業においては、製品や部品の動作・品質の試験に膨大な時間とコストがかかるのが実情であるが、 Digital twin と呼ばれる取り組みにより省力化が図られている。Digital twin とは、IoT により現実空間の製品や、部品、そして工場そのもののデータを取得したのち、バーチャル環境においてそれらを 3D データで再現しデジタル上の双子(twin)を作るものである。デジタル上の双子を使い、耐久テストや工場における機械、ロボットを設置する位置などをシミュレーションすることで、物理的な実験にかかるコストを削減し、効率生産につながることが期待される。
今後の見通し・将来性や展望
今後は先進国では少子高齢化が一層進み、労働人口の減少が見込まれる中、IoT の拡大、人工知能(AI) 技術の発展・普及が促進されることで生産活動の自動化・効率化が進展してゆくと考えられる。先進国では、中小企業で人手不足が大なり小なり進むと考えられ、IoT の活用が製造業全体の底上げにつながると考えられ、官民一体となった取り組みが重要になってくる。
近未来 2030年の市場規模予測
アスタミューゼ社による『Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）』現在の世界市場規模推定と近未来の世界市場規模予測。
2022年には推定1,430億米ドルだったものが、2030年には4,770億米ドルになると予測している。
スタートアップ投資動向と投資額
Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）の2010 年から 2019 年の 10 年間における世界のグラントの資金流入額は総額 $710M である。
本レポートでは、
・世界のスタートアップ設立社数と被投資額の累計/推移
・グラント採択数と総配分額ランキング
・世界のグラント配分額上位25テーマ
・日本のグラント配分額上位25テーマ
を提供している。
現在の主要企業
本レポートでは、Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）分野において、現時点で保有する技術が総合的に優位な企業を各種特許指標から評価し、ランキング形式でリスト化して提供している。
主なプレイヤーとして、
国外では、
・Siemens AG
・China Electric Power Research Institute Ltd.
国内では、
・三菱電機株式会社
などが含まれ、そういった
上位企業の保有する特許の中で、特に競争優位性が高い特許の概要と、最高エッジ指数での定量的な評価を記載している。
最新の技術開発具体例
本レポートでは、Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）における最新の技術開発事例を紹介している。
Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）の未来予測・将来性
未来の構成要素
本レポートでは、Industry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）に関連する・RFID
・クラウドコンピューティング
・５G
・LPWA
・サイバーフィジカルシステム(自律型センサ、マルチメディアデバイス、 エッジコンピューティング、IoT プラットフォーム)
などの技術要素と、
そういった様々な技術の進化、新しい可能性の発現、企業の把握すべき範囲を記載している。
未来のストーリー想定
本レポートでは、近未来に、ヒト形産業用ロボット、構内搬送ロボット・ドローンが普及するIndustry 4.0・工場IoT・協働ロボット（ファクトリーオートメーション）について、
未来のトレンドとして想定し得るストーリーを記載している。
おわりに
本レポートの目次
会社概要
