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導電性高分子・有機エレクトロニクスの未来予測|技術トレンドを元にした将来性や展望・今後のストーリー

text by : 編集部

導電性高分子とは、多くの高分子にはない性質:電気を流す能力(導電特性)を持つ高分子を指す。 この導電特性は、導体よりも半導体的な性質であり、高分子半導体とも呼ばれる。

有機エレクトロニクスとは、高分子に加え低分子や超分子なども含んだ有機化合物において、同様に半導体としての性質を持つ素材を利用した技術を指す。代表的な有機エレクトロニクスの例としては、発光デバイスである「有機 EL(OLED; organic light-emitting diode)」やトランジスタ回路である「有機トランジスタ(organic transistor)」がある。

はじめに

アスタミューゼ社のご紹介

弊社は世界の無形資産・イノベーションを可視化し 社会課題解決と未来創造を実現する、データ・アルゴリズム企業であり、
イノベーション投資の流入に加え、イノベーターの流れを機械的に分析し、データに基づいた成⻑領域を定義している。

本スライド: slideshare
アスタミューゼ株式会社: https://www.astamuse.co.jp/

本レポートのご紹介

アスタミューゼでは今芽吹きつつある黎明期の技術シーズや今後 10 年から 20 年 のスパンで大きく開花すると期待される初動段階の技術市場に重点を置きつつ、生活文化の中に根 付く技術にも光を当て、総じて未来を創る技術分類の網羅に取り組んできた。
このために、国内第一線の知を結集して全世界の論文・特許、国内外の国際会議やシンポジウム、展示会等の情報並びに独自ネットワークによる口コミ情報を活用し、136 の有望成長市場と、40 の 未来技術を選んだ。主にビジネス視点で策定された有望成長 136 市場を対象にしており、本レポートは、『導電性高分子・有機エレクトロニクス』の未来推定に特化した内容となっている。

事業会社に向けては、イノベーションに関わる経営課題を中心に戦略構築支援/実行支援を実施しており、
・自社の既存事業の優位性がいつまで続くかわからない
・既存事業の成長が踊り場にきているので、使っている技術 を別で活かせる可能性を探りたい
・既に着手している研究開発を続けるべきどうか、もしくは 自社開発ではない方法があるかを含めて検討したい
といった企業のよくあるお悩みを解決している。

導電性高分子・有機エレクトロニクスの現状

シリコンを代表とする無機半導体(パワー半導体を含む)と比べ、「軽い、薄い、曲げられる」といった特徴を持つことから、有機エレクトロニクスを利用したデバイスはフレキシブルデバイスと表現されることもある。

ポリチオフェンはドーピングにより共役π軌道に対して電子を付与または除去することで導電性高分子となる。ポリチオフェン類の研究は 1980 年代から活発に行われ、現在では電位の負荷または環境刺激によって導電性と光学特性が変化する性質をバイオセンサーに用いる研究が広く行われている。ポリチオフェンの一種であるポリエチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)はエレクトロクロミズムの性質を有し、電位の変化で不透明になったり反射状態になったりする窓や鏡(エレクトロクロミックウインドウ)に用いられる。エレクトロクロミックウインドウは空調コストの削減にもつながる環境製品としても評価されている。

今後の見通し・将来性や展望

昨今ウィズコロナへの生活様式のシフトが余儀なくされている。そのような中では人の手を極力介さない技術が求められ、導電性高分子・有機エレクトロニクス素材の「軽い、薄い、曲げられる」 といった長所を利用したウエアラブル IoT やセンシング技術はますます発展し、着実に我々に不可欠な存在となってゆくであろう。

近未来 2030年の市場規模予測

アスタミューゼ社による『導電性高分子・有機エレクトロニクス』現在の世界市場規模推定と近未来の世界市場規模予測。

2022年には推定48億米ドルだったものが、2030年には149億米ドルになると予測している。

スタートアップ投資動向と投資額

導電性高分子・有機エレクトロニクスの2010 年から 2019 年の 10 年間における世界のグラントの資金流入額は総額 $450M である。

本レポートでは、
・世界のスタートアップ設立社数と被投資額の累計/推移
・グラント採択数と総配分額ランキング
・世界のグラント配分額上位25テーマ
・日本のグラント配分額上位25テーマ
を提供している。

現在の主要企業

本レポートでは、導電性高分子・有機エレクトロニクス分野において、現時点で保有する技術が総合的に優位な企業を各種特許指標から評価し、ランキング形式でリスト化して提供している。

主なプレイヤーとして、
国外では、
・Merck KGaA
・BOE Technology Group Co., Ltd.
国内では、
・住友化学株式会社
などが含まれ、そういった
上位企業の保有する特許の中で、特に競争優位性が高い特許の概要と、最高エッジ指数での定量的な評価を記載している。

最新の技術開発具体例

本レポートでは、導電性高分子・有機エレクトロニクスにおける最新の技術開発事例を紹介している。

導電性高分子・有機エレクトロニクスの未来予測・将来性

未来の構成要素

本レポートでは、導電性高分子・有機エレクトロニクスに関連する・共役ポリマー(ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール類など)
・ドーパント
・キャリア濃度
・キャリア移動度
・ポーラロン
・ソリトン
・ポリマー酸化
などの技術要素と、
そういった様々な技術の進化、新しい可能性の発現、企業の把握すべき範囲を記載している。

未来のストーリー想定

本レポートでは、近未来に、生体センシング等ウエアラブル材料や発電材料として、市場が拡大する導電性高分子・有機エレクトロニクスについて、
未来のトレンドとして想定し得るストーリーを記載している。

おわりに

本レポートの目次

会社概要

アスタミューゼ株式会社: https://www.astamuse.co.jp/

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