2016.06.27 MON 「インテリジェントスポーツ・スマートスポーツ」市場における科研費獲得金額ランキングTOP50
text by : | 編集部 |
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photo : | shutterstock |
どのようなテーマが共感を呼び、どのような形で投資を集めているのか、世界中の特許/論文、科学技術研究費、ベンチャー投資、クラウドファンディング情報などを集め、独自に分析する本企画。今回は、180の有望成長市場のうちのひとつ「161. インテリジェントスポーツ・スマートスポーツ」市場における大学・研究機関別の科研費獲得金額ランキングを発表、さらに注目すべき研究テーマを紹介する。
■総投資額約30億円、全大学/研究機機関197、489テーマ中、「161. インテリジェントスポーツ・スマートスポーツ」市場における大学・研究機関別(※1)の科研費獲得金額ランキングTOP50(※2)
(※1)研究代表者が所属する大学・研究機関
(※2)2006~2015年の交付分。2016年6月時点でデータ取得
■注目すべき研究テーマをご紹介
全身の運動解析のための制約のないセンサシステムの開発と応用分野への展開(高知工科大学 井上喜雄教授 他 / 4537万円)
この本研究では、研究代表者らがこれまでに研究開発してきた技術を基に人間の運動に関する新たなウエアラブルセンサシステムを開発し、複数の信号処理技術を駆使した制約がなく信頼性の高い運動解析技術を構築した。さらにこれらの解析理論とセンサ技術を用いた運動解析による医療分野における歩行リハビリ訓練や立ち上がり訓練、スポーツ分野におけるゴルフやテニスのスイング診断などへの応用研究にも取り組まれた。
緊張時のパフォーマンス崩壊メカニズムの解明と公開型スポーツ脳機能解析施設の構築(東京工業大学 石井源信教授 他 / 4992万円)
この本研究では、アスリートが緊張によりパフォーマンスを崩壊させてしまうメカニズムを明らかにするために磁気共鳴画像法などを用いた行動実験を行い、脳のどの要因がパフォーマンス崩壊を引き起こすのかを明らかにすることを目的とした。心理的な阻害要因として過度な感情の惹起が「視線注意散漫」を生じさせ「知覚運動スキル」に影響を与えることが、さらに脳内メカニズムでは島皮質からの注意システムへのコントロールが阻害されることが示された。
ユビキタスによるトータルウェルネスシステムの構築(東京大学 深代千之教授 他 / 1911万円)
この研究ではユビキタスによる生体情報の収集技術とネットワークを用いて健康維持をサポートするシステムを作成することを目的とされた。ユビキタス技術により構築された心拍数・身体加速度・筋電図といった生体情報の自動取得システムを用いて、これらの情報を基に日常生活から歩行・ジョギング・ワークアウトといった低強度から高強度の運動にいたるまでのエネルギー消費量をニューラルネットワークにより推定するシステムが作成された。
■「161. インテリジェントスポーツ・スマートスポーツ」市場について
スポーツの世界にも、ウェアラブル&ユビキタス、そして IoT、ビッグデータという時代の波は押し寄せている。インテリジェントスポーツ・スマートスポーツは、MEMSセンサによる生体センシングをベース技術としながら、VR・AR と融合することで、エンタメや脳トレなど、様々な分野への展開も考えられる。さらに、2020年の東京オリンピックを機に、スポーツのICTソリューションが本格的に動き出すと期待されている。
主な技術要素としては「MEMSセンサ」「生体センシング」「脈波、脳波(EEG)」などがあり、主な技術・製品・サービスの例としては「Adidas MiCoach・miCoach SMART BALL」(Adidas)、「腕時計型ウェアラブルスポーツセンサ」(Polar Electro Oy)などがある。
また、この市場の主なプレイヤーとしては、ソニー株式会社、パナソニック株式会社、株式会社日立製作所などがあり、180の有望成長市場における主な関連市場としては、「117. ライフログ」 「130. MEMS・マイクロマシン・組込システム」 「175. 生体情報デバイス・バイオセンサ」などがある。
astavisionでは、この市場の2015年世界市場規模を20.25億米ドルと推定、2025年世界市場規模を40.5億米ドルと推定している。
「161. インテリジェントスポーツ・スマートスポーツ」市場に関するベンチャー・最先端技術などの情報配信サービス
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