2016.02.18 THU 「仮想現実(AR・VR・SR・MR)・3D投影」市場における科研費獲得金額ランキングTOP50
text by : | 編集部 |
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photo : | shutterstock |
どのようなテーマが共感を呼び、どのような形で投資を集めているのか、世界中の特許/論文、科学技術研究費、ベンチャー投資、クラウドファンディング情報などを集め、独自に分析する本企画。今回は、基礎から応用までのあらゆる学術研究を発展させることを目的とする競争的研究資金「科研費」に着目し、180の有望成長市場のうちの150番目である「150. 仮想現実(AR・VR・SR・MR)・3D投影」市場における大学・研究機関別の科研費獲得金額ランキングを発表、さらに注目すべき研究テーマを紹介する。
■全大学/研究機関205、769テーマ中、「150. 仮想現実(AR・VR・SR・MR)・3D投影」市場における大学・研究機関別(※2)の科研費獲得金額ランキングTOP50(※3)
(※2)研究代表者が所属する大学・研究機関
(※3)2006~2015年の交付分。2016年2月時点でデータ取得
■注目すべき研究テーマをご紹介
(※)敬称略
「移動体と連携した自律分散型センシングによる交通基盤施設のリアルタイム危機制御」(東京大学 藤野陽三教授 他/5070万円)
建築物や鉄道や道路、橋梁などの都市交通インフラにおいて、事故や災害による危険を低減するために、リスクを定量的に評価・監視し、合理的なリスクマネジメントを支援する統合センシングシステムの開発。ARモデル化により、実時間実空間におけるリスクを事前に把握し、受ける影響を最小化することを目指す。
「メタ認知と社会行動の発達にもとづく自己制御」(理化学研究所 藤井直敬 他/3億4151万円)
人間が自ら脳機能を制御し、意識的な自己発展を図る「自己制御精神」は、進化の過程でヒト前頭葉が格段に発達した中で獲得されたものであり、個体においても前頭葉が成熟する思春期に確立する。こうしたヒト知性の仕組みを理解するために、脳機能計測やSR (Substitutional Reality:代替現実)システム等を用い、神経科学、認知科学、言語学を融合することで、社会認知機能とメタ認知機能の両面から迫り、両者を統合することを目指す。
「複合現実型情報空間の表現力基盤強化と体系化」(立命館 田村秀行教授 他/1億7524万円)
これまで限られた対象や環境下でのみ可能だった複合現実感 (Mixed Reality; MR) 技術を一般化し、豊かな表現力をもつMR空間を実現するため、視覚的MRと聴覚的MRを同時に達成する視聴覚併用MR空間による3D音像定位の実現と、現実世界に実在する物体を視覚的に隠蔽・消去する「隠消現実感 (Diminished Reality; DR)」に取り組む。
計算解剖モデルの診断・治療の融合的支援応用」(九州大学 橋爪誠教授 他/1億790万円)
計算解剖学の臨床応用プラットフォーム構築の最終段階としてナビゲーション技術の臨床応用を行った。Augmented Reality (AR)ナビゲーションの臨床応用として、OpenMRI治療室にて、手術時の体位かつ気腹後の状態すなわち腹腔鏡下手術中の状態でMR画像を取得し手術ナビゲーションを行った。術者の疲労の軽減、手術時間の短縮だけでなく、手術手法そのものの向上や手術トレーニングの精緻化が期待される。
「シースルービジョン:監視カメラ映像を活用する歩行者のための視覚支援方式の開発」 (筑波大学 大田友一教授 他/4653万円 )
監視カメラの映像を加工して歩行者が持つ携帯型情報端末に提示することにより、死角領域を可視化する技術を開発した。今後、監視カメラ設置数の増大は避けられないことを前提に、一般市民が監視カメラから得る新しい付加価値の在り方としての提案。
「高リスク作業の支援に対応可能な高信頼拡張現実拡張技術の開発」(奈良先端科学技術大学 加藤博一教授 他/4836万円 )
脊椎疾患の診断・手術支援に利用可能な拡張現実感技術において、実際に診断に利用できる精度を達成。また、原子力プラントの保守点検作業などの支援に利用可能な拡張現実感技術において、高精度化の目処を立てた。
「能動的身体性に基づく臨場感の伝達と遠隔行動」(慶應大学 舘すすむ 特任教授/4693万円)
能動的身体性を有する臨場感検証プラットフォームにおいて、触覚伝送による自己定位の成立を確認。自己定位の成立条件を明らかにしたことに加え、ユーザ自身の外観をバーチャル空間内に投影する遮蔽関係の整合性が保たれたマスク生成手法を実現。
「視覚情報の知能的マルチモーダル補償システムの開発に関する研究」(横浜国立大学 岡島克典 准教授/1859万円)
色覚正常者(3色覚者)における色カテゴリーを変化させることなく、色覚異常者や高齢者等にも見やすい配色に、視覚情報を知能的に補償するマルチモーダルシステムの開発を目指し、視覚(輝度・距離)情報を音の振幅・周波数・呈示時間等に変換、音情報から輝度や距離の視覚情報を推定でき、音による視覚情報の補償の有効性を示した。さらに、新たなハプティックデバイスを用いた空間認識システムを開発し、距離情報や物体形状を触覚情報に変換できることを示した。
次回は2月25日、「87. 機能性食品/飲料」市場における科研費獲得金額ランキングを発表予定。
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