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astavisionが「MEMS・マイクロマシン・組込システム」市場に関するコンテンツを公開

text by : 編集部
photo   : 編集部

astavisionが企業・特許情報のビッグデータ分析により、今後成長が見込まれる市場を180の分野に分類した「180の成長市場」。その15番目にあたる「MEMS・マイクロマシン・組込システム」の市場ページが公開された。

「MEMS・マイクロマシン・組込システム」市場ページ

 

「MEMS・マイクロマシン・組込システム」市場ページ

 

「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)」とは、半導体製造技術やレーザー加工技術など各種の微細加工技術を応用し、微小な機械要素(機械を構成する最小の機能単位)やセンサ、アクチュエータ、電子回路を、概ね1cm角以下のシリコンやガラス、有機材料などでできた一つの基板上に集積化したデバイスのことを指す。

MEMSの用途としては、加速度センサやジャイロセンサなどの各種センサ類、インクジェット・プリンタヘッド、自動車のエアバッグ、プロジェクタ等の調光マイクロミラーデバイスなどがある。

また、1台のスマートフォンにはマイクやカメラ、加速度センサはじめ数十種類のMEMSセンサが搭載されている。医薬品や食品に1mm角以下のMEMSセンサを混ぜて被験者に飲み込ませ、その効果や生体情報をモニタリングしようとする試みもある。

「マイクロマシン」はMEMSよりも広い概念で、微小サイズの歯車やモータ、人工鞭毛などで駆動する電子デバイスや分子デバイス、さらに、μTAS(Micro Total Analytical System)またはLab-on-a-Chipと総称されるマイクロ流体チップ(microfluidics)、ナノポア・アレイ等の次世代DNA解析チップの分析用デバイスなどを合わせ、論じられている。

スマートフォンやタブレット端末の普及により、爆発的な成長を遂げているMEMS市場。そこへさらに大きな波が押し寄せてきている。

米国Trillion Sensors Summit社のCEO兼会長、Janusz Bryzek氏は、2014年12月、東京ビッグサイトで開催されたSEMICON Japan 2014において、「トリリオンセンサーがもたらすInternet of Everything」と題する講演を行い、年間1兆個のセンサを活用する世界(Trillion Sensors Universe)がもたらす“Abundance”(潤沢)について語った。“Abundance”とは、食糧不足や環境破壊、エネルギー枯渇、医療格差などから解放された「満たされた世界」を意味している。

年間1兆個のセンサとは、現在のセンサ需要の100倍に匹敵し、世界人口70億人が毎年一人150個ずつのセンサを使う計算になる。それらのセンサは、バイオ、ヘルスケア、ナノ、ネットワーク、ロボット、人工知能、農業、都市、交通、エネルギーなど様々な分野の機器やインフラに組み込まれ、実世界の観測から得られたビッグデータに基づき、新しい技術やサービスを創出し、雇用を生み出し、指数関数的に豊かさを積み上げていくのだという。

中でも、モバイル、ユビキタス、ウェアラブル、デジタルヘルス(データヘルス)、M2M(Machine to Machine)、IoT(Internet of Things)、 O2O(Online to Offline)などのスマート・システムが、クラウド技術やビッグデータ解析などとコラボして、新たな技術革新、産業革新を牽引していくと考えられる。

astavisionでは「MEMS・マイクロマシン・組込システム」市場の2025年時点でのグローバル市場規模を年間450億米ドル≒5.4兆円と推定している。

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