2015.04.26 SUN 苗が移動しながら生長するエアドーム型植物工場
text by : | 編集部 |
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photo : | shutterstock.com |
(※)この記事は2013年11月5日にastamuse「技術コラム」に掲載された内容を再構成したものです。
食の安全・安心に対する関心の高まりに伴い、高度に環境制御された施設において、天候や病害虫などの影響を受けることなく、無農薬野菜などを一定の品質で計画的に市場に供給することができる植物工場に注目が集まっている。
植物工場とは、気候や季節に関係なく、通年で施設内で生産する農法である。植物工場には、太陽光利用型、人工光利用型、両者併用型などがある。株式会社グランパは、空気圧でドーム構造を支えるエアドーム式の太陽光利用型植物工場(グランパドームハウス)を考案、神奈川・群馬・岩手など各地で水耕栽培によるレタス、グリーンリーフ、ロロロッサ、ホワイトセロリ、クレソンなどの野菜を生産・出荷している。
グランパドームハウスは直径最大30m、巨大な水耕栽培槽を備えた装置で、育成植物の種苗を多数の播種ユニットに入れて育てるというもの。種苗投入から収穫までの間、播種ユニットを支えて案内する案内手段としての搬送レールと、播種ユニットを一定方向に回動させる回転駆動手段、播種ユニットを漸次外周方向に送り出す送り出し機構とが備えられている。 これにより植物が生育するに従って必要なスペースを確保することができる。
こうした完全制御型植物工場では、外気を完全に遮断し、栽培する作物の生育にとって最適な光の量、栽培養液及び温度・湿度・CO2濃度などの環境条件を人工的に構築している。 グランパドームハウス内の環境は常時モニタリングしており、台風や強風の時にはドーム内の気圧を上げて、構造強度を増す制御も行うクラウドソリューションで管理されている。TPPなど国際情勢からも農業のあり方を問い直す動きがあるが、産業構造のイノベーションという観点からも、こうした自動制御型の植物工場には大きな関心が持たれる。
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