2015.04.26 SUN ゴムメーカーの技術を生体情報センシングに活かした「SRセンサ」
text by : | 編集部 |
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photo : | shutterstock.com |
(注)この記事は2013年10月18日にastamuse「技術コラム」に掲載された内容を再構成したものです。
住友理工株式会社(2014年10月1日より「東海ゴム工業株式会社(旧社名)」から社名変更)は、表側・裏側2層のエラストマ―(シリコーンゴムなど)のシートの間にウレタンなど発泡性ポリマーの誘電層を挟んだ3層構造からなるセンサシートを開発、SR(スマートラバー)センサとして応用展開に取り組んでいる。
表側シートの裏面(誘電層側)には、表側電極および表側配線が形成される一方、裏側シートの表面(誘電層側)には、裏側電極および裏側配線が形成される。結果、表側電極と裏側電極は、それぞれ誘電層の表面と裏面に接触することになる。
なお、表側配線と裏側配線は、アクリルゴムとカーボンブラックとを含む導電塗料からなる。導電塗料の塗布方法としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィー等が挙げられ、塗布する部分と塗布しない部分との塗り分けを容易に行うことができる。
このセンサシートの上に人が立つなどして荷重が加わると、その部分の誘電層の厚さが小さくなり、表側電極と裏側電極との間の静電容量が大きくなる。この静電容量の変化により、シート上にかかる荷重や圧力の分布(面圧分布)を検出することができるため、静電容量型センサと呼ばれる。面圧分布はヒートマップなどでリアルタイムに可視化することができる。
ゴムフィルムは柔らかく伸縮性に優れるため、静電容量型センサを、例えばベッド用の体圧分布センサとして用いた場合、就寝者は違和感を感じることなく眠りにつき、面圧分布の変動から、寝返りや体動、離床や転落などの睡眠中の生体情報を得ることができる。 また、ゴムシートの上を歩行することで、運動状態や健康状態を解析することができる。 軽量で柔軟な素材であるゴムシートを用いることで、日常生活での健康維持からゲームやスポーツ、介護・リハビリ現場まで、幅広い応用可能性が感じられる。得意技術を異分野に活かした例としても興味深い。
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