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「先進医療機器」市場とは?

text by : 編集部
photo   : shutterstock.com

astavisionが企業・特許情報のビッグデータ分析により、今後成長が見込まれる市場を分類した「2025年の成長領域」。近日公開予定の「先進医療機器」市場コンテンツについて、その一部をプレビューする。

 

先進医療機器とは、 広義には下記に挙げたように広範な機器類やシステム群をいう。

・X線CT・MRI・PET・超音波診断装置・内視鏡・CR・ACSなどの生体画像診断機器
・画像監視下手術と総称される内視鏡下手術・体外衝撃波結石破砕術・血管内手術・マイクロサージャリ・レーザー治療器など、大きく切開して手術することなく、小さな傷口から内視鏡やカテーテルを挿入し、モニタを見ながら治療を行う手術機器
・衝撃波や超音波を使って病変部だけ狙いを定めてミサイルのように行う手術機
・フローサイトメーター・自動生化学分析装置・遺伝子診断・DNAチップなどのバイオ技術を用いた分析機器
・再生医療に関わる機器類、人工臓器
・手術ロボットやスマート治療室、電子カルテ・医療計画システム等、遠隔医療・テレプレゼンス(遠隔臨場制御)に関わる機器類など

厚生労働省(以下、厚労省)は、2015年6月1日現在で108種類の先進医療を定めている。重粒子線治療や陽子線治療、神経変性疾患の遺伝子診断、内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術などの第2項先進医療(先進医療A)61種類と、十二種類の腫瘍抗原ペプチドによるテーラーメイドのがんワクチン療法、NKT細胞を用いた免疫療法、C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法などの第3項先進医療(先進医療B)47種類である。なお、 先進医療にかかる費用については全額自己負担、それ以外の通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われる。

2014年11月25日付で薬事法が改正・改名され、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:医薬品医療機器等法/薬機法)が施行された。医薬品と医療機器の承認プロセスが別建てとなり、これまでは機器のスペックを変えるたびに医薬品と同様の厳しい審査を一から受け直さねばならなかったが、医療機器独自の審査基準が設けられたことで、承認のスピードアップが見込まれる。その一方、医療機器プログラム(コンピュータ等にインストールすると、医療機器として性能を発揮するソフトウェア)も、それ自体を医療機器として新たな規制対象とした。X線CTやMRIなどの画像診断用ソフトウェアなどがこれに当る。

 

リバーフィールド株式会社の空気圧駆動型内視鏡ホルダーロボット「EMARO」
リバーフィールド株式会社の空気圧駆動型内視鏡ホルダーロボット「EMARO」

 

厚労省は、「医療機器審査迅速化のための協働計画」において、医療機器の申請から承認までの標準的な総審査期間を設定。2018年度までに、新医療機器の通常審査品目は12ヵ月、優先審査品目は9ヵ月、改良医療機器で臨床試験データが必要な場合は9ヵ月、臨床試験データ不要の場合は7ヵ月という期間目標を掲げている。さらに、革新的な製品に対しては、先駆け審査指定制度を設け、6ヵ月で承認することなどを目指すという。

また、厚労省は、国際薬事規制調和戦略(仮称)の下で、日本で承認された医薬品・医療機器に対するアジアなど諸外国での許認可手続きの簡素化等の調和を図り、世界市場への展開を推し進める。

こうした動きは、診断や治療のために医療機器、あるいは再生医療関連製品として使用される生体情報センシングデバイス等の開発者にとって、大きな福音となるだろう。

一方、経済産業省は2014年度より「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業」において、日本が強みとするITやロボット技術を活用した革新的デバイスやシステムの研究開発を、医工連携・産学官連携により推進しており、スマート手術室や運動機能回復装置などが採択されている。

 

近日公開予定の「先進医療機器」市場コンテンツでは、この市場のグローバル市場規模や用途展開、活躍できる職種などを紹介する。

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