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「運転支援・自動運転」市場における科研費獲得金額ランキングTOP50

text by : 編集部
photo   : shutterstock

どのようなテーマが共感を呼び、どのような形で投資を集めているのか、世界中の特許/論文、科学技術研究費、ベンチャー投資、クラウドファンディング情報などを集め、独自に分析する本企画。

今回は、180の有望成長市場のうちの45番目である「45. 運転支援・自動運転」市場における大学・研究機関別の科研費獲得金額ランキングを発表、さらに注目すべき研究テーマを紹介する。


 

■全大学/研究機関151、1223テーマ中、「45. 運転支援・自動運転」市場における大学・研究機関別(※1)の科研費獲得金額ランキングTOP50(※2)
(※1)研究代表者が所属する大学・研究機関
(※2) 2006~2015年の交付分。2016年3月時点でデータ取得

 

科研費×運転支援・自動運転

 

■注目すべき研究テーマをご紹介
(※)敬称略
(※)所属機関・肩書は申請当時のものを適用

「組込みシステム向けデータ集約型パラダイムの実現と車両走行制御への適用」(名古屋大学 高田広章教授 他 / 4524万円)
この研究では、組込みシステムにデータ集約型パラダイムを適用するための新たなソフトウェア構築フレームワークに関して、組込みシステムに適用する際に重要となるデータの信頼性やリアルタイム性への対応について研究開発されている。さらに開発されたフレームワークをカメラやレーダーなどのセンサーデータを動的に集約する自動車の走行制御に関するアプリケーションに適用することにより、データ集約型パラダイムとフレームワークの有効性も検証されている。

「運動制御レベルでの車両-インフラ協調による自動車の自動運転制御に関する研究」(慶應義塾大学 大前学教授 他 / 2210万円)
この研究では、路側の構造物に設置されたセンサや制御装置といったインフラから自動車を運動制御レベルで協調制御できることを実証し、その有用性と技術的妥当性を明らかにすることを目的として行われた。その結果、カメラなどを用いたインフラからの車両認識により車両運動制御を行うために十分な精度で情報を獲得できることが明らかにされた。認識手法・通信手法の複合化による信頼性の向上にも取り組んでおり、実際の技術運用に向けて研究が行われている。

「自然な運転状況の中での人間-機械双中心型多層的追突回避マネジメント」(筑波大学 伊藤誠准教授 他/ 4628万円)この研究では、ドライバの自然な運転状況下で起こりうる追突事故リスクを回避するための多層的マネジメントを実現するためのフレームワークと、その実現に必要な技術要素が構築・開発された。具体的には、無拘束実時間ディストラクション検出手法と香り提示に基づくディストラクション解消技術、追突リスクとその認知の評価のための解析ツール、視覚と聴覚の特性を生かしたリスク認知ギャップの知覚支援技術、警報との接続をふまえた自動ブレーキロジック、が構築・評価された。

 

■「45. 運転支援・自動運転 」市場について

表面的にはITイノベーションの一つとして捉えられることが多い自動運転だが、根底にあるのは交通事故から人の生命を守ることにあり、そのための技術開発、インフラ整備が脈々と続けられてきた。交通事故の原因の多くは、歩行者や障害物の発見の遅れや、判断・操作に関わる人為ミスによるものであり、衝突防止など危機を回避する技術や、健康状態や高齢化で低下した能力を支援していく運転支援技術などの進歩が大きく期待されている。

この市場は現在フェーズでは成長開始段階であり、近未来フェーズ(5-10年以内)は成長継続、未来フェーズ(10年以上先)もさらなる成長が期待されている。

主な技術要素としては、カメラやレーダ、光ビーコンなどがあり、主な技術・製品・サービスの例としては、F 015 Luxury in Motion(メルセデス・ベンツ)、3次元レーザースキャナ(パイオニア)などがある。

また、この市場の主なプレイヤーとしては、トヨタ自動車、デンソー、日産自動車などがあり、「180の有望成長市場」における主な関連市場としては、「46. 交通事故防止システム」「54. 協調ITS・モバイル通信・テレマティクス」「61. GPS・衛星測位システム」などがある。

astavisionでは、この市場の2015年世界市場規模を300万米ドルと推定、2025年世界市場規模を3000億米ドルと予想している。


 

■「45. 運転支援・自動運転」に関するベンチャー・最先端技術などの情報配信サービス

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