生物資源(bio)の量(mass)を表す概念をバイオマスと呼び、一般的に「化石燃料を除く、生物に由来する再生可能な有機資源」を指す。バイオマス資源の種類は、廃棄物系資源(建材や工場の木質廃棄物、製紙系廃棄物、食品廃棄物、家畜排せつ物など)・未利用資源(未利用樹や剪定枝などの木質材、稲作および農業残渣など)・生産系資源(短周期栽培木材、トウモロコシや牧草などの草本系、藻類など、エネルギー利用を目的に栽培されるもの)に大別される。本領域は、このようなバイオマスをエネルギー利用するバイオマス発電・バイオ燃料に加え、生物由来のエネルギーという観点から、発電細菌などの微生物が有機物を分解する過程で生じる微弱電流を利用して発電する微生物燃料電池・酵素や生体反応を利用したバイオ電池・それらを利用したデバイスなども含む。
目次
はじめに
アスタミューゼ社のご紹介
弊社は世界の無形資産・イノベーションを可視化し 社会課題解決と未来創造を実現する、データ・アルゴリズム企業であり、
イノベーション投資の流入に加え、イノベーターの流れを機械的に分析し、データに基づいた成⻑領域を定義している。
本レポートのご紹介
アスタミューゼでは今芽吹きつつある黎明期の技術シーズや今後 10 年から 20 年 のスパンで大きく開花すると期待される初動段階の技術市場に重点を置きつつ、生活文化の中に根 付く技術にも光を当て、総じて未来を創る技術分類の網羅に取り組んできた。
このために、国内第一線の知を結集して全世界の論文・特許、国内外の国際会議やシンポジウム、展示会等の情報並びに独自ネットワークによる口コミ情報を活用し、136 の有望成長市場と、40 の 未来技術を選んだ。主にビジネス視点で策定された有望成長 136 市場を対象にしており、本レポートは、『バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池』の未来推定に特化した内容となっている。
事業会社に向けては、イノベーションに関わる経営課題を中心に戦略構築支援/実行支援を実施しており、
・自社の既存事業の優位性がいつまで続くかわからない
・既存事業の成長が踊り場にきているので、使っている技術 を別で活かせる可能性を探りたい
・既に着手している研究開発を続けるべきどうか、もしくは 自社開発ではない方法があるかを含めて検討したい
といった企業のよくあるお悩みを解決している。
バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池の現状
バイオマスは、発電・熱・輸送燃料などとしてエネルギー利用される。バイオマス発電は、バイオマスを直接燃焼して発生させた水蒸気でタービンを回転させて発電する方式と、バイオマスからガスを発生させて発電する方式に大別される。
日本においては、2012 年に固定価格買取(FIT)制度が開始したこと、2015 年度以降は比較的小規模な未利用木質バイオマス発電について別個の買取区分が設けられたことも要因となり、バイオマス発電の導入が進んでいる。2017 年時点において日本で利用されたバイオマスエネルギーは一次エネルギー供給量の 2%程度であるが、世界全体では約 9%と比較的高い割合を占める。
今後の見通し・将来性や展望
今後、開発途上国の経済成長に伴いバイオマス比率が低下する可能性がある一方、EU が 2030 年までに輸送用燃料のうち再生エネルギー比率を 14%以上をとする目標を掲げるなど各国でバイオ燃料利用推進が進められており、市場成長は継続すると見込まれる。食糧生産との競合や森林破壊への懸念も少なからず抱えるが、第二世代・次世代型バイオ燃料へのシフトや国際会議における協議などによって持続可能性と安定性を担保することが求められる。現状では第二世代・次世代バイオ燃料は開発・実証段階のものが多く製造コストの高さも課題だが、長期的には液体バイオ燃料の過半数を占めると予想されている。
近未来 2030年の市場規模予測
アスタミューゼ社による『バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池』現在の世界市場規模推定と近未来の世界市場規模予測。
2022年には推定2,550億米ドルだったものが、2030年には4,259億米ドルになると予測している。
スタートアップ投資動向と投資額
バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池の2010 年から 2019 年の 10 年間における世界のグラントの資金流入額は総額 $2,000M である。
本レポートでは、
・世界のスタートアップ設立社数と被投資額の累計/推移
・グラント採択数と総配分額ランキング
・世界のグラント配分額上位25テーマ
・日本のグラント配分額上位25テーマ
を提供している。
現在の主要企業
本レポートでは、バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池分野において、現時点で保有する技術が総合的に優位な企業を各種特許指標から評価し、ランキング形式でリスト化して提供している。
主なプレイヤーとして、
国外では、
・China Petroleum & Chemical Corp
・Korea Institute of Science & Technology Information
国内では、
・
などが含まれ、そういった
上位企業の保有する特許の中で、特に競争優位性が高い特許の概要と、最高エッジ指数での定量的な評価を記載している。
最新の技術開発具体例
本レポートでは、バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池における最新の技術開発事例を紹介している。
バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池の未来予測・将来性
未来の構成要素
本レポートでは、バイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池に関連する・直接燃焼
・熱分解ガス化
・メタン発酵
・破砕
・ボイラ
・タービン
・ガスエンジン
・コジェネレーション
などの技術要素と、
そういった様々な技術の進化、新しい可能性の発現、企業の把握すべき範囲を記載している。
未来のストーリー想定
本レポートでは、近未来に、世界的な脱炭素の風潮もあり、バイオマス発電・バイオ燃料ともに市場は成長を続ける見込みであり、第二世代・次世代の実用化および 第一世代からのシフトが進むバイオマス発電・バイオ燃料・微生物燃料電池について、
未来のトレンドとして想定し得るストーリーを記載している。