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もしも『インターステラ―』の主人公が農業を選んでいたら…?

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異常気象による食糧危機を迎えた近未来、新たな居住可能惑星を求め、宇宙のワームホールを通って旅する人類の冒険を描いた映画『インターステラ―』。主人公のクーパーは農業を営んでいるが、元々は優秀な宇宙飛行士で、エンジニアでもあった。しかし高度なスキルを持つ人材であるがゆえに、逆にロボットや人工知能に仕事を奪われてしまうというジレンマを体現している人物でもある。

 

結局彼は宇宙への憧れを捨てられず、まだ小さな娘を置いて命がけのプロジェクトに挑戦する。では、もし彼が農業の道を選んでいたら、どうなっていたのだろうか。

 

劇中では、度重なる砂嵐の発生により農作物が甚大な被害を受ける様子が描かれている。このような異常気象に左右されず、食糧供給を安定して行うためのアプローチとして注目されているのが、農作物の栽培に工業生産的手法を取り入れた「植物工場」である。

 

矢野経済研究所が2014年に発表した「植物工場市場に関する調査結果2013」によると、2025年の日本国内における植物工場の市場規模予測は約1500億円となっており、高騰するエネルギーコストという課題があるものの、食糧問題だけではなく、労働力不足の解決策としても注目を集めている。

 

また、クーパーがもといた航空宇宙産業と関連の深い技術であり、農業分野においても活用できるのが「気象予測」の技術だ。帝国データバンク調べによると、2012年時点での気象・地震予報の関連市場は日本国内のみだけでも300億円規模であり、今後も広がるといわれている。

 

現在のコンピュータ天気予報は、解像度20kmの地球全体の一週間後の天気を約3分で処理している。 ここでいう解像度とは「より詳細で精度の高いミクロな情報で地球の情報を入手し計算分析」することを指す。 この解像度は年々向上し、過去に経験のない異常気象に対しても予測が可能となりはじめている。

 

他にもICTによる農業のクラウド化など、これまで農業とは縁が遠いと思われてきた技術が急激に密接なものとなりつつある。もしかしたら、本当の未来では「農業界のクーパー」が活躍しているのかもしれない。

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