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「車載電子機器・車載コンピュータ」市場とは?

text by : 編集部
photo   : shutterstock.com

astavisionが企業・特許情報のビッグデータ分析により、今後成長が見込まれる市場を180の分野に分類した「180の成長市場」。近日公開予定の「車載電子機器・車載コンピュータ」市場コンテンツについて、その一部をプレビューする。

 

「車載電子機器・車載コンピュータ」市場について

車載電子機器(車載電装機器)には下記のようなものがある。

 

・カーナビゲーション機器やテレマティクス機器、カーオーディオ機器、ETC(電子料金収受システム)/DSRC(ITSスポット)車載器のようなディスプレイを備えた情報機器。

・先進運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance System )

・車載インフォテイメント(IVI:In-Vehicle Infotainment;車内で音楽やDVDを再生したり、ナビ・位置情報・電子メール・インターネットなどの情報サービスを提供する)システム

・車内外通信伝送システム、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、エアバッグシステム、エアコンシステムなどのシステム機器

・温度、圧力、加速度、超音波、赤外線レーダ、光ビーコンなどのセンサ機器

・二次電池、インバータ、モータ、キャパシタ、充電器、SiCデバイス、電源IC、パワーMOSFETなどのパワーエレクトロニクス機器

・エンジンコントロールユニット(ECU)

・EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory;電源を断っても記録内容が消えない不揮発メモリの一種)

・車載コンピュータ

 

クルマのスマート化やITS(高度道路交通システム)・自動運転システムの発展とともに、ますます多くの電子機器やアプリケーションが導入されていく。

また、一つの機器やシステムの中に関連する多くの技術が組み合わされている。

たとえば、自動車用ECU の構成としては、電源、入力バッファ、AD コンバータ、マイコン、EEPROM、出力ドライバ、通信ドライバー・レシーバなどの電子機器からなる。

また、 ADASにおいては、歩行者認識、信号認識、サラウンドビュー、死角検知、車線逸脱警告、ドライバーの覚醒度監視・注意喚起、パーキングアシスト、ナイトビジョンなどの多様な機能によって、事故回避を実現するために様々なセンシング技術、通信技術、車体制御技術などを電子的に統合制御している。

ADASでも重要な役割を果たすHUDは、運転者の視線の先に各種情報を表示する。運転者は運転中に計器類やセカンダリディスプレイを見ずに、速度、警告標識、ナビゲーション用指示矢印など重要な情報をHUDから得られる。また、注意喚起のため、車線逸脱や車間距離、死角の歩行者などの注意情報が拡張現実(AR)画像として、運転者の視界内の問題の位置に現われ、警告を発したり、回避のための誘導をしたりする。

このように、すでに電子化が進み、コンピュータ制御されているクルマは、IoT/IoEにおいて、重要な移動体ノードにもなりえる。車内でスマートフォンやタブレットPC、ノートPCからインターネット接続することも可能だが、現在、IVI の可能性が注目されている。カーナビの画面をタッチすることで、インターネット検索、電子メールの送受信、YouTubeなどの動画配信サービスも利用できる。IVI とスマートフォンの連携により、様々なアプリを利用したり、データダウンロードしてバージョンアップや故障の改修などができる車載機器も出てくるだろう。

モバイルOSには、iOS と Android に加え、サムスン、NTTドコモ、インテルなどが共同開発する TIZEN も参戦。どの車にどのOSが搭載されるのか、どんなサービスが利用できるのかといった今後の勢力図から目が離せない。

 

「車載電子機器・車載コンピュータ」市場のグローバル市場規模

2015年1月、富士キメラ総研は、自動車に関する無線通信規格、インフラ、サービスなどについて国内および世界市場調査結果を発表。通信モジュール(2G/3G/4G/5G)世界市場2014年見込 781億円(2013年比122.0%)、2020年予測2694億円(2013年比4.2倍)などと見込んでいる。また、矢野経済研究所の2013年調査結果では、 2013年における車載ネットワーク用デバイスの世界市場規模は2192億円、 2020年における車載ネットワーク用デバイスの世界市場規模は4648億円と予測。2013年から2020年までの年平均成長率(CAGR)は11.3%。また、矢野経済研究所の2012年4月の予想では、 2011年の車載半導体の世界市場規模は、205億8000万米ドル(約1兆6700億円)、2020年には403億米ドル(約3兆2700億円)に達すると見ている。

astavisionでは、車載電子機器・車載コンピュータのグローバル市場規模を2015年段階で200億米ドル(≒2.4兆円)と推定、今後10年間で、CAGR10%で推移することを見込み、2025年段階でのグローバル市場規模は、年間519億米ドル(≒6.2兆円)と予想する。

 

近日公開予定の「車載電子機器・車載コンピュータ」市場コンテンツでは、この市場の最新技術や関連して発展する市場、活躍できる職種などを紹介する。

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