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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見に貢献するF-SASセンサ

text by : 編集部
photo   : shutterstock.com

(※)この記事は2013年8月27日にastamuse「技術コラム」に掲載された内容を再構成したものです。

 

2003年、JR山陽新幹線の運転士が約8分間の居眠り運転をして、自動列車停止装置が働くという大惨事一歩手前となる事件が起きた。後の調査で、この運転士は睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)という病気と判明し、居眠りの原因として公表されたため、SASは広く人々に知られるようになった。

SASとは、睡眠中に呼吸が10秒以上停止、または気道が狭くなり10秒以上換気量が50%以上低下することが5回以上繰り返される睡眠障害である。高血圧や心筋梗塞・脳卒中などの合併率も高くなるという軽視できない病気で、 日本国内に300万人を超える患者がいるとされる。

SASの診断は、通常、医療機関に宿泊して、多数のセンサを身体に付着して検査を受けなければならなかった。この検査は、睡眠時の脳波、呼吸、脚の運動、あごの運動、眼球運動、心電図、酸素飽和度、胸壁・腹壁の運動などを記録する、ポリソムノグラフィ(polysomnography:PSG)と呼ばれるものである。

東京工科大学コンピュータサイエンス学部光エレクトロニクス研究室の三田地成幸教授は、睡眠時の呼吸時における寝具への圧力変化を、寝具の上と人体との間に敷きつめられた光ファイバシートにより検知し、無呼吸睡眠状態などの呼吸疾患を無拘束状態で検査する光ファイバ型睡眠時無呼吸センサ(F-SASセンサ)を開発した。一晩の睡眠の間、寝返りを打ったり、横向きの姿勢を取ったり、トイレへ行ったりしても問題なく計測できるというものである。

PSGとF-SASセンサとでの同時測定を行ったところ、両者の相関関係は高く、F-SASセンサでの検査がSASの潜在患者を診断する上で極めて有効であることが明らかとなった。 無自覚のまま大事故を起こしたり重篤な病気を患いかねないSASの早期発見に大いに役立ちそうだ。

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