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「有機EL照明」市場とは?

text by : 編集部
photo   : shutterstock.com

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astavisionが企業・特許情報のビッグデータ分析により、今後成長が見込まれる市場を分類した「2025年の成長市場」。近日公開予定の「有機EL照明」市場コンテンツについて、その一部をプレビューする。


 

2015年2月14日~4月13日、ハウステンボスで開催された「チューリップ祭」には、約5,000本の「光る有機ELチューリップ」が作る『光のチューリップガーデン』が出現し、夜の景色を彩った。合計約15,000枚のコニカミノルタ社製有機EL照明パネルが使われたという。

有機ELとは、有機エレクトロルミネッセンス(OEL:Organic ElectroLuminescence)の略で、特定の有機物に電圧をかけると発光現象をおこすことが知られており、この現象を利用した照明装置を有機EL照明という。発光層が有機化合物から成る発光ダイオード(LED)を構成していることから、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)、あるいは、発光ポリマー(LEP:Light Emitting Polymer)とも呼ばれる。英語圏では、 OLEDの呼称がむしろ一般的である。

非常に薄い有機物のシートを重ね合わせた層(数百ナノメートル)の両側に正極陰極の電極を設け、電圧をかけることで面を発光させる。

発光材料として、蛍光材料、燐光材料があり、蛍光材料は既に開発実用化されているが、発光効率が25%と低く、照明に使う際の問題となっている。燐光材料は発光効率が100%で理想的な材料であるが、寿命の長い燐光材料の開発が難しく、現在の研究開発課題となっている。

有機ELはディスプレイや照明用途への応用が図られているが、既に技術的に先行して実用化されたLEDと競合関係にある。LEDは、青色LEDの開発成功をうけ、蛍光体との組み合わせによる白色LEDが実用化されたため、3.11以降の省エネ基調に乗っかり飛躍的にマーケットが広がり、従来の白熱ランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯等からLED照明への転換が進んだ。

LEDは、発光材料としてインジウム窒化ガリウム等窒化化合物の無機材料が使用され、本質的に点発光光源である。そのため、光を広範に照らすため、レンズ系等を工夫して使用している。また、発光効率は年々改善され、ほとんどの従来照明用途を代替することができるに至っている。ただし欠点として、点光源であるため、直視すると目に損傷を与えたり、高パワー化すると発熱量が大きいという問題がある。

有機ELは、この欠点を克服し、面発光であるため、眩しくなく自然光に近い高演色照明が可能であり、発熱も少ない。また、可撓性(物体が柔軟であり、折り曲げることが可能である性質)のあるフィルム上に印刷技術で製造できるため、曲面照明も可能である。実用上の問題は光の取出し効率が25%と低く、輝度ムラがあり、高コストであるということだが、既に数社から有機EL照明が市販されており次世代照明技術として期待されている。

特に、薄い面を発光させるという特性から、コニカミノルタ社は、従来のガラスパネルの約1/5に当る薄さ0.35mm、曲率半径10mmの曲げられる樹脂基板フレキシブル有機EL照明パネルを製品化している。

一方、 韓国LG化学は、2014年9月、世界最高レベルの発光効率・長寿命有機EL照明パネルを開発し、同年11月から発売すると発表、ヨーロッパ、日本などのグローバル自動車メーカーとの間で、2017年の量産を目標に有機EL照明パネルを採用した自動車のテールランプを開発している。

 


近日公開予定の「有機EL照明」市場コンテンツでは、この市場のグローバル市場規模や最新技術、用途展開などを紹介する。

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