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「福祉車両・バリアフリー車」市場とは?

text by : 編集部
photo   : shutterstock

astavisionが企業・特許情報のビッグデータ分析により、今後成長が見込まれる市場を分類した「2025年の成長市場」。近日公開予定の「福祉車両・バリアフリー車」市場コンテンツについて、その一部をプレビューする。


 

長寿社会の到来を目前に控えた今、社会システム全体のバリアフリー化が進んでいる。クルマもまた例外ではない。

福祉車両(バリアフリーカー、ユニバーサルデザインカー)は、高齢者や障碍者が健常者や家族と一緒に外出するなど、より自由で活動的な生活をすることを視野に入れ、様々なタイプのものが提案されている。

■介護式
障碍者の介護や送迎に利用する。障碍者が座る助手席または後席が回転して車体の外にせり出し、乗り込みやすくする回転(スライド)シート車や、助手席や後席が車体の外に昇降する昇降シート車、車いすごと車内に乗り込める車いす移動車(スロープタイプ、リフトタイプ)などがある。

■自操式
障碍者が自分で運転するための補助装置(手動装置・左足アクセル、足動装置)が付いたクルマ。

■その他
車内に段差がなく車いすごと乗り込める「ノンステップバス」や「リフト付きバス」などの公共交通機関向けのほか、電動車いす、電動3輪車・電動4輪車(電動カート)、医療施設・福祉施設向け車両(ストレッチャー移動車、車いす移動車)など。

 

トヨタを例にとると、 「移動する自由」をコンセプトに、福祉車両をウェルキャブ(Welcab:Welfare/Well/Welcome+Cabin)と命名。ハイブリッド車、コンパクト車、ミニバン、セダン、ワゴン、ビジネスカー、それぞれに幾種類かの機能を持った福祉車両を用意している。例えば、プリウスでは、助手席リフトアップシート車やフレンドマチック(補助装置)取付用専用車が用意されている。アルファード、ヴェルファイア、エスティマハイブリッドではいずれも、サイドリフトアップシート車が、また、コンパクトカーのラクティスでは、後部から車いすで乗りこめる車いす仕様車や助手席リフトアップシート車がある。補助装置には、専用パワーステアリング(車速感応式)、車いすに座ったまま、バックドアを閉めることができるバックドアストラップ、操作ストラップを引けば助手席が前に倒れる助手席前倒し機構&操作ストラップ、リモコン式専用運転席パワーシート、専用リモコンを使って、車いすを電動でルーフ上に格納できるウェルキャリーなどがある。

トヨタの福祉車両(ウェルキャブ)

トヨタの福祉車両(ウェルキャブ)

日産自動車では、福祉車両をライフケアビークル(LV)シリーズと呼び、100%電気自動車リーフの場合、助手席回転シート、運転席マイティグリップ(運転席への昇降時に掴まり身体を支えるグリップ)、手動運転装置が選べる。スポーツタイプのエクストレイルでも、運転席マイティグリップが選べる。コンパクトカーのノートでは、助手席スライドアップシート、助手席回転シート、アシストグリップ付車、運転席マイティグリップが、軽自動車のデイズでは、助手席スライドアップシート、助手席回転シート、アシストグリップ付車、運転席マイティグリップがある。

ホンダの車種では、例えば、フリードではサイドリフトアップシート車や助手席リフトアップシート車のほか車いす仕様車があり、サイドワゴンとオデッセイには、いずれもサイドリフトアップシート車と助手席リフトアップシート車が選べる。

以上のように、通常仕様の車種に機能を加えバリアフリー化を図るほか、デザイン段階から、国籍・宗教・文化や性別・年齢、能力や障害の有無などに関わらず、誰にでも使えるユニバーサルデザイン(UD)の視座で作られる車両もある。結果的に障碍者でも難なく快適に使えるというものだ。

日野自動車のバスで、床が低くフルフラットフロアの日野ポンチョはその例だ。ロングボデー2ドアタイプは中扉・後扉、どちらからでも車いすの乗降が可能で、車いすの回転ができる通路幅も確保されている。

長寿社会に向けて、今後ますます、ユニバーサルデザイン指向が進むことが予想され、高齢者や障碍者により優しく楽しいクルマが増えることが期待される。


 

近日公開予定の「福祉車両・バリアフリー車」市場コンテンツでは、この市場のグローバル市場規模、用途展開、活躍できる職種などを紹介する。

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