2015.06.30 TUE 電通と共同出願している企業とその技術
text by : | 編集部 |
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photo : | shutterstock.com |

日本最大の広告代理店であり、「広告界のガリバー」の異名を持つ株式会社電通。
企業規模が巨大、かつ広い事業領域を設定しているがゆえに、「実際は何をしているのか」が見えにくい企業でもある。
そこで、電通が他企業と共同出願している技術から、その一部を探ってみた。
「展示館の展示ブース等の室内空間で、簡便な機構で香料どうしが混ざらずに異なる香りを体験できる香料の供給方法とそれを用いた香り体験館を提供する」というこの技術を、電通は神戸製鋼所と共同出願している。
「縄跳びその他の運動をリズムに合わせて行えるようにするため、手で握れる程度の筒体の内部に、メロディ、リズムを発生させる機構を収容する」というこの技術を、大塚製薬と共同出願している。
この技術は観客参加型の3Dシアターに関するものだが、複数のブースが合体して合体シアターを形成するとしている。また、複数ブースに分割された状態では、各ブースに収容された観客の画像がキャストとして組み込まれたブース映像が提供され、合体した状態では全ブースのスクリーンを使用して合体シアター映像を提供するというものだ。電通はこの技術を子会社の株式会社電通テック、空間・映像プロデュースの株式会社ナル・コーポレーションと共同出願している。
上記の3件の技術だけでも、電通がastavisionの提唱する2025年の「成長領域」のうち、下記の市場に参入していることがわかる。
・国際会議・展示会のコンベンション・テクノロジー
・インテリジェントスポーツ・スマートスポーツ
・仮想現実(AR・VR・SR・MR)・3D投影
今年4月、欧米・アジアなどの海外企業を主な対象にベンチャー投資を行うCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)「電通ベンチャーズ1号グローバルファンド」を設立した電通。次はどの成長市場に参入するのだろうか。
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