2015.12.10 THU VR・スポーツ映像解析・医用ハプティクスなど多様なテーマで展開~「KEIO TECHNO-MALL 2015」レポート~
text by : | 編集部 |
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photo : | 編集部 |
12月4日、東京国際フォーラムで開催された「KEIO TECHNO-MALL 2015」。慶應義塾大学理工学部の研究成果を紹介し、共同研究や技術移転等の機会を提供するこのイベントでは、バイオや医療、エレクトロクス、IoT、VRなどの成長市場における先端技術が多様なテーマで展開された。その模様をレポートする。
■トリックアート原理に基づく裸眼立体ディスプレイシステム
情報工学科の藤代研究室は、陰影を中心とした心理的な奥行き知覚要因に基づくトリックアートの原理に運動視差の効果を組み合わせ、2Dグラフィックコンテンツから生成された立体映像を裸眼で見ることのできるディスプレイシステムを開発した。デバイス上部のカメラがユーザの顔を認識し、ユーザが見る位置に合わせてクワガタが動く立体映像が見られるというものだ。デバイス前面に取り付けられた植物の葉は映像ではなく本物だが、これも単なる演出ではなく、ユーザの両眼視差をキャンセルし、奥行き知覚を増強させるためのものだという。
■画像センシング技術によるスポーツ映像解析システム
電子工学科の青木研究室は、映像情報からの画像センシング技術によるスポーツ映像解析システムを出展した。たとえばアメリカンフットボールやサッカーのようなチームスポーツであれば、プレー開始・終了位置に対する各チーム選手位置を入力することで「Pass」「Run」「Kick」などのプレーを自動分類したり、ボール自体の検出結果を用いずに軌跡推定を行い、仮想空間に投影したりといったことがこのシステムによって出来るようになる。まずは早慶戦などで試験を重ね、2020年の東京オリンピックでの実用化を目指すという。
■医用ハプティクス
システムデザイン工学科の大西研究室は、バイラテラル制御(双方向で力覚を伝える制御)により遠隔地へと力覚伝達する技術を開発し、医療用ロボットへの応用に取り組んでいる。今回出展したマスタ・スレーブ型ロボットハンドは、従来の位置情報のみを一方向に伝達するタイプのものとは異なり、力触覚情報を双方向に伝達するため、遠隔物体の力触覚を手元で感じることができる。ブースでは、遠くにあるポテトチップスを割らずに掴むデモンストレーションが行われた。さらに今後は、動作行為をコンテンツ化してダウンロード再生することのできるIoA(Internet of Actions)世界を目指すという。
この他にも研究者によるセミナーやビジネスマッチングなどが行われ活況を呈していた「KEIO TECHNO-MALL」。来年は2016年12月16日、同会場にて開催される予定だ。
astavisionでは今後「仮想現実(AR・VR・SR・MR)・3D投影」「手術ロボット・手術支援システム」などの成長市場コンテンツを順次公開予定。
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